教えて、屋根屋さん!第67回「職人からみた“良い瓦”の定義とは?」

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最初の“良い瓦”の定義は「長持ちするかどうか」。

 

屋根材は根本的に家を守るものなで、長持ちすることが一番大事。
耐久性(長持ちするかどうか)を入り口に、見た目や工事のしやすさなどが付随されて、良い瓦になっていくと思います。

 

職人になると、ふわっとですが、見た目などで長持ちしそうな瓦を判断できるようになります。
一番良いのは叩いて音を聞く方法です。

 

 一般的に、高温で焼けば焼くほど瓦の耐久性は高くなるといわれていますが、私はそうだとは思いません。たとえば、淡路の土は1000度くらいが限界で、1100度以上で焼くと溶けてしまいます。対して、石州の土は1300度でも溶けません。

 

だからといって、淡路の瓦が石州の瓦より耐久性が低いかというと、必ずしもそうではありません。 温度も大事ですが、私は瓦を「焼き切る」ことが有効だと思っています。

 

高温の瓦でも、中までしっかり焼き切れていなければ、叩いても良い音はしませんし(濁ったムラのあるような音がします)、長持ちもしません。
低温でも、中までじっくり丁寧に焼き上げれば、非常に強くなり、叩くと澄んだ均一の音がするのです。

 

また屋根全体でみれば“統一感”もこだわりたいところ。

 

瓦屋根には色々な瓦が使われており、部分によっては、工場で大量生産できない複雑な形状をした瓦(役物と呼びます)もあります。それらは専門のメーカーに別注するのですが、違う窯で焼いたり、少し違う土を使ったりすることで、他とちょっとだけ異なることがあります。
そのため、屋根上にすべてがそろった時、微妙に違うと感じることがあるのです。できればそれは避けたいので、全部まとめてつくっていただける方が瓦職人としてはうれしいですね。

 

最後に個人的な好みですが、私は大昔のだるま窯で焼いたような独特の色味、焼きムラがある瓦も、一枚一枚の表情が違っていて好きです。

いぶし瓦だるま窯1

ちょっとクセがある瓦をうまく納められた瞬間は、仕事の醍醐味の一つでもあります。

 

すべて同じように見える瓦ですが、瓦職人からしてみるとすべて微妙に異なります。
その中でも、特に“良い瓦”を選んでお客様に喜んでいただく。これも私たちの使命です。

 

次回は、「屋根職人だからできる職人技」についてお話しいたします。

 

「教えて、屋根屋さん!」の連載記事の目次はこちら。

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜20141125_profile_01昭和二十六年創業。屋根に関する製造・販売・工事の全てを経験。
屋根専門石川商店の三代目、1級かわらぶき技能士
石川弘樹(いしかわひろき)です。
【趣味】  ワンピース(マンガ)
【目標】  瓦割り世界チャンピオン
【ブーム】 なんだか断りそうだな、、、
【困り事】 寝ても寝ても眠い病
屋根専門石川商店HP:riverstone-roofing.com
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