ー教えて屋根屋さん!第107回ー
ZEHにより、2020年から、すべての新築に設置が推奨されている、太陽光発電。
改めて、太陽光発電のメリットは何か? デメリットはあるのか? 気になる方もいると思います。今回は、そんな疑問にお答えします。
太陽光発電の最大のメリットは、環境に優しいエネルギーを作れること。
福島第一原子力発電所事故をきっかけに、エネルギーの安全性が重視され、政府は自然エネルギーの重要性を訴えています。
自然エネルギーといっても、水力発電、風力発電、波力発電などさまざま。
ですが、どのエネルギーも自然の力を活用するため、既存エネルギーのような安定性を生み出すことはできません。
だからといって、火力発電に依存すると、石油資源も枯渇してしまいますし、二酸化炭素も増えてしまいます。
その中、注目を浴びているのが、太陽光発電です。
太陽光は無尽蔵ですし、地球温暖化にも影響しません。もちろん、放射能のような危ない物質を発することもありません。
さらに、ゴビ砂漠にソーラーパネルを敷き詰めることができたら、世界中の電力をまかなえるといわれています。
(参考記事:ゴビ砂漠に太陽電池を敷き詰めよ)
もし、これが実現したら、理想的ですよね。
しかし、太陽光発電の設置数は年々下がっています。
その理由として、
・太陽光発電設置のための補助金が下りなくなっている
・売電価格が年々下がっている
の二つが挙げられます。
結局、多くの人が「環境に優しいから」という理由ではなく、「経済的メリットがあるから」という理由で設置していたことが分かります。
これは単にユーザー側の意識の問題だけではありません。
日本の建築業界全体の問題とも考えられます。
当初、太陽光発電は10年で設置費用を回収できるというのが売り文句でした。
しかし、現在、施工価格も下がっていますが、それを上回る勢いで売電価格も落ちているため、回収するのに15~20年近くかかるようになりました。
太陽光発電にはランニングコストもかかりますし、何より現在の日本の住宅の平均寿命は約26年です。回収後の期間は、たった6年しかありません。
回収後、6年で設備投資や建て替え工事をする必要があるならば、多くの人が太陽光発電の設置に消極的になるのも無理はありません。では、この問題を解決するにはどうすればいいのでしょうか?
一番の解決策は、日本の住宅の平均寿命を、60~90年ぐらいに延ばすことです。
家の平均寿命がそこまで延びれば、太陽光発電の設置には十分なメリットがあります。
今までは、「経済的にメリットがあるから」、「電気代が安くなるから」という理由で太陽光発電を設置する人がほとんどでした。しかし、「環境のため」という本来の目的のために設置しないと、現在の住宅事情のままでは、多くの人が太陽光発電に魅力を感じられなくなってしまいます。
ロハスという言葉が一時期流行りましたが、住宅も一緒です。
環境と共生しながら、持続可能なスタイルを維持していく。
太陽光発電を設置する方には、ぜひこのような考えを持っていただきたいと感じています。
次回は、「安く屋根を作る方法」についてお話しいたします。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜昭和二十六年創業。屋根に関する製造・販売・工事の全てを経験。
屋根専門石川商店の三代目、1級かわらぶき技能士
石川弘樹(いしかわひろき)です。
【趣味】 ワンピース(マンガ)
【目標】 瓦割り世界チャンピオン
【ブーム】 なんだか断りそうだな、、、
【困り事】 寝ても寝ても眠い病
屋根専門石川商店HP:riverstone-roofing.com
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屋根で損する人をゼロにしたい、屋根屋の三代目です。
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棒ぶき屋根と屋根カバー法と太陽光の記事を拝見させて頂き勉強になりました。
リフォームを考えており、これから役立てていきたいと思います。
内容が分かりやすくとてもよかったです。
かどピーさま
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石川弘樹