ポツンと一軒家に住む友人宅で、瓦を接着したら雨漏りが

井上 利里子
井上 利里子
  • ちょっとでも屋根の仕組みを知っていると、取る対策が180度違ってきたりします。良かれと思ったことが、後で困ったことにならないように情報発信必要だなと痛感してます。

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すぐ隣近所のない一軒家での暮らし

5,6年ぶりくらいで、和歌山県の熊野古道に近い
集落に移住した友人(女性)から
電話があり、相変わらずのワイルド生活ぶり。

自宅は集落から少し離れた山の中の一軒家で
猫と犬と暮らしているというツワモノ。

もう10年近く経ったでしょうか。
日本が令和になったことは知っているのか。

スローライフって忙しい

聞けば自給自足に近い生活で、毎日忙しいらしいです。
現金収入の部分は、5年前から仲間で始めた
山で仕留めた鹿の肉をペットフードにして
販売するのがちょっと売れるようになったりだとか、
梅干し作って売ったりとか、布ぞうり作ったりとか。

「猫ってさぁ、ウサギの頭がご馳走らしいんだよね、
畑から夕方帰ると、玄関先に猫が取ってきた
ウサギが置いてあるんだけど
いつも首だけがないんだ、たぶんおいしいんじゃないかな」
「へぇー・・・・」

瓦が飛んでいかないよう予防したはずが

そんな彼女のポツンと一軒家は、
数年前の大型台風直撃の際
家の離れがズズズっと動いて
母屋に突き刺さった状態なんだとか。
「突き刺さったままで修理してないから、今家賃タダなんだ~」

「へぇー・・・」
いちいちエピソードが振り切ってて
こっちの出せるネタが思いつかない(;・∀・)

かえって雨漏りになる結果に

離れが突き刺さった母屋は今まで
特に問題もなく暮らせていたようですが、
先日の大型台風で瓦がずれてしまったらしく
見てくれた知り合いが、
「次の台風で瓦が飛んでっちゃうといけないから」と、
コーキングで瓦と瓦をとめる作業をしてくれたそうなんです。

コーキングした後、雨漏りがするように

いざコーキングしてもらった後の雨で
いままで無かった雨漏りが始まったそうです。
彼女の言葉を借りると
「一つの部屋が扉開けてみたら湖になってたんだよ」
と。

ラバーロックによってどうなったのか

ラバーロックとは

ラバーロックやコーキング留めなどと
いくつか言い方があるようですが、
要は友人宅で施工したような
瓦と瓦を接着剤で留める工法です。

ラバーロック

瓦と瓦を接着すると無くなる雨の通り道

一見頑丈そうに感じますが、
そもそも瓦は重ねた隙間があることで
下へと水が流れ、屋根材の下に
溜まらないようになっている仕組み。
そこを留めてしてしまうと、屋根材下の
弱いところから家の中へ入り、雨漏りへと
繋がってしまいます。

 

部分修理も出来なくなる

瓦の良さは、雨漏りでも割れたり欠けたりしたところを
1,2枚取り換えれば修繕完了で、
費用も1~3万円程度で済んでしまうケースが多いのに、
接着しちゃうとそれが出来なくなる!

防水シートの交換時も瓦の再利用が出来ない!!

強風や地震に非常に弱くなる実験結果も

古い工法のままで強風があったとき
瓦が飛ぶことがありますが、
ラバーロックをして全部くっついていると
風を受ける力も大きくなる上、数枚飛ぶだけでなく
バリバリっと屋根全体が飛んでいってしまう危険性が高く、
地震も落ちる時はまるごと落ちるという実験結果が(;´Д`)

あと何年住むかを決めてから業者に相談を

あと5年で住み替えか、30年以上は住みたいかなど期間で
メンテナンス方法も大きく変わってきます。
もちろんかかる金額も。
そのため、まずは今後この家に何年住むのか決めてから
業者にその年数を伝え、それに見合ったメンテナンス依頼を
することオススメします!!

 

ではではそれではまた

 

 

 

 

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日々会社に舞い込むお困り事や作業内容を基に、
いつか立派な屋根屋スタッフになれる日を夢見て勉強中。

井上 利里子(イノウエ リサコ)
【ニックネーム】 Ri-chang
【最近】  明日ほんとに雪降るの?ひえ~

いのうえりさこです

屋根専門石川商店HP:riverstone-roofing.com


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  1. お名前 : 瓦留め工事35年の屋根修理業者  

    ラバーロックを普及させたのは大掛かりな訪問販売会社で、そもそも屋根の知識のない者がぼろ儲けができるということで始まました。
    言われるようにラバーロックをしたがために雨漏りというケースは多数あります。気が付かない程度の雨漏りを含めれば凄い数になるでしょう。
    しかしこの実権、そもそも屋根を垂直にって何を想定してる?
    瓦留めラバーロックをしたら強風で飛散って、まったく実情を知らないトンチンカンな実験?だな。
    ずいぶん前に、NHK.TVで瓦飛散の実験をして.風速40mになると瓦がパラパラと飛び始めたけど、あれなど全く意味がない。
    風速60m.70mは知らず、40m程度では瓦の飛散はほとんどない(自分の経験では1軒もない)
    ただ浮き上がってしまう。中には将棋の駒のデノミ倒しみたいに30枚40枚もの地瓦が立ち並んでいたケースもあった。それは強風が屋根上を通過する時に、高くなっている棟から北側(太平洋側)の空気が薄くなり吸い上げられるから。
    東側2階外壁と下屋の棟の狭間の谷樋の部分、強風など当たらない瓦が浮き上がるケースも多い。
    強風が瓦の下に入り込み吹き飛ばすことはない。
    又、瓦留め工事をすると、瓦の差し替えができないことはない。カッターナイフで簡単に処置できる。
    築、3年の豪邸の棟が崩れ地瓦がゴチャゴチャしてるのに、隣の2階のぼろ長家の屋根は瓦留め工事をしてあったのでビクともしていなかった。
    常識的に考えて瓦留め(敢えてラバーロックとは言わない)工事はしておけば安心です。

  2. お名前 : 石川弘樹  

    瓦留め工事35年の屋根修理業者さま、石川商店の石川弘樹です。

    この動画には、いろいろな業者さんからご意見をいただきました。

    ただぼくは、実はラバーロック自体を否定している訳ではありません。

    ぼくが思う、ラバーロックの問題点は、
    ・固定がほとんどされていない、土葺きや築30〜40年前後の瓦屋根への施工
    ・利益率90%くらいの単価設定
    です。

    ちょうどこの動画の続編というか、第2弾の実験を2020年7月末に行いましたので、近々、よい報告ができると思います。

  3. お名前 : やまひよjj  

    築25年日本瓦寄せ棟の家を2年前に購入したが4個所のうち1個所の棟下から雨漏りしている瓦の半分を占める瓦ボンドコウキングしている、小雨に屋根に登り状態を観察、上からの雨が外側流れるはずが中の方へ呼び込む状態です、御意見宜しく。

  4. お名前 : 石川弘樹  

    やまひよjj さま、石川商店の石川弘樹です。

    雨が中に呼び込む状態が起こってしまっているということであれば、棟の取り直し工事という、棟部をいったん取り外して新しい工事方法で復旧する工事が必要かと思います。

    工事事例は、こちらから確認できます。
    ■ 和瓦、洋瓦屋根の台風対策。予防のための補修や工事方法と費用 | 石川商店
    https://riverstone-roofing.com/hirokiroom/prevent-your-roof_004/#i-11

    ちなみに、雨が中に呼び込む状態、の場所は2種類あると思っています。

    1つ目が、棟の下の瓦に当たった雨水が、中に吸い込まれる場合
    ※ 参考写真
    https://riverstone-roofing.com/_sys/wp-content/uploads/2020/11/IMG_6090.jpg

    2つ目が、のし瓦 (何段か積んである瓦) に当たった雨水が、中に吸い込まれる場合
    ※ 参考写真
    https://riverstone-roofing.com/_sys/wp-content/uploads/2020/11/IMG_6090-2.jpg

    いずれにしろ、これらの現象の原因は、この現象が起きる原因は、
    ・はじめからの傾斜不良
    ・中の土が風化し、瓦が逆傾斜になった
    かの、いずれかだと思われます。

    なので、厳密にはボンドコウキング (ラバーロック) が直接の原因ではないかもしれませんが、いずれにしろ雨漏りは、棟の取り直し工事をして直します。

    その際は、ガイドライン工法、と言って通じる瓦屋さんい、工事を依頼するのが安心です。
    以上、参考になれば幸いです。
    また何か新たな疑問などございましたら、お気軽にご相談くださいませ。
    石川商店 石川弘樹

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