本記事の目次
屋根のカバー工法が何か、簡単に知りたい!
そもそもカバー工法とは何でしょう?
「カバー工法が安くて簡単でおすすめ」と言われても普段聞きなれないので、ピンときませんよね。
この章では、以下2点を説明します。
・カバー工法の内容
・カバー工法の作業手順
カバー工法について既に理解している方は、次の章に進みましょう。
カバー工法の内容
屋根カバー工法とは、今ある屋根の上に新しい屋根を乗せる工法のことです。
屋根だけでなく下地や防水シートなど、屋根づくりに必要な素材をもう1度屋根の上に乗せることで、屋根をカバーします。
屋根材をはがして交換する葺き替えとは違い、新しい屋根材を被せるだけなので、費用が抑えられて工期も短いことが特徴です。
また屋根が重くなることを考慮して、カバー工法で乗せる屋根材はガルバリウム鋼板などの、軽い金属製屋根材を使用することが多いです。
カバー工法の作業手順
カバー工法の作業手順はシンプルです。
3ステップにまとめたので、確認してみましょう。
1:屋根材の汚れやごみを取り除き、接着を良くするためきれいに洗浄する
2:屋根のてっぺんにある棟板金(むねばんきん)などを撤去する
3:防水シート、屋根下地、屋根材の順に今ある屋根の上に被せていく
こちらの記事ではカバー工法やガルバリウム鋼板について詳しく解説しています。
カバー工法を検討している方はぜひご覧ください。
人気の屋根カバー工法|3つのデメリットとは?
「屋根のリフォームで葺き替えより手軽に費用を抑えてできる」と人気のカバー工法ですが、実はいくつかデメリットがあります。
ご自宅の屋根ではできない可能性や、長期的にご自宅の屋根のことを考えるとカバー工法をしない方が良い可能性もあるのです。
この章では、カバー工法を検討している場合に知っておきたいデメリットを3つご紹介します。
順番に見ていきましょう。
・瓦屋根にはできない
・耐震性が下がる
・葺き替えより費用がかかることがある
瓦屋根にはできない
カバー工法は今ある屋根の上に新しい屋根を乗せる工法なので、基本的には瓦屋根には行うことができません。
瓦屋根でもカバー工法をしてくれる業者もありますが、瓦屋根の形状や重量を考えても手軽にできるとは言えないでしょう。
瓦屋根が破損したり寿命で老朽化しているなら、葺き替えがおすすめです。
耐震性が下がる
屋根の上に新しい屋根を重ねるため屋根が重くなります。
もちろん多少の重さではさほど影響はありませんが、屋根が重くなると耐震性が下がるので注意が必要です。
これは建築時に屋根の重さを支えるため、柱や土台の強度が計算されているので、建築当時より大幅に屋根が重くなるのは危険と言えるためです。
比較的軽量のガルバリウム鋼板でカバー工法をした場合、100㎡あたり500㎏程度増加します。
一般的なカバー工法で使用されるガルバリウム鋼板なら、そこまで耐震性が下がることはありません。
しかし、屋根が重い家は地震時揺れが大きくなりやすいので、カバー工法をするなら屋根材の重量に気をつけましょう。
葺き替えより費用がかかることがある
「屋根を全交換する葺き替えより費用を抑えられる」と聞いていても、必ずしもカバー工法の方が安いとは限りません。
屋根面積100㎡当たりのカバー工法総費用は約135~280万円です。
一方、同様の屋根面積で葺き替えを行っても154万円~なのでカバー工法より安く済む場合もあります。
また、築15年より前の屋根材には処分費用のかかるアスベストが使用されている場合が多く、葺き替え工事には処分費用や人件費がかかるので「葺き替え工事は高い」と言われていました。
しかし石川商店ではアスベスト入りの屋根材の撤去を含めて154万円~なので、一概にカバー工法の方が費用を抑えられるとは限りません。
カバー工法より葺き替え工事の方がご自宅にあっていると感じたら、こちらの記事もご覧ください。
アスベストが入った屋根材撤去を含む葺き替えの見積もりを詳細に載せています。
カバー工法のデメリット3つがわかりましたね。
上記のように屋根を重ねると雨漏りや下になった屋根に問題が発生した場合、2枚分の屋根をはがすことになり費用や工期もかかることに。
将来的にメンテナンスや工事が大変になるので、カバー工法をする必要があるか慎重に見極める必要があるでしょう。
人気の理由|屋根カバー工法3つのメリットとは?
前章ではカバー工法のデメリットをご紹介しましたが、カバー工法が巷でおすすめされるにはもちろん理由があります。
そこでこの章では、以下3つのメリットをご紹介します。
順番に確認しましょう。
・費用を抑えられる
・断熱性・防音性・防水性が高まる
・工期が短くて済む
費用を抑えられる
人気の秘密は、やはり費用を抑えられることです。
カバー工法の費用はメリットであり、デメリットでもあります。
デメリットでお伝えしたように状況により葺き替え工事の方が安くなる場合もありますが、基本的には屋根材の撤去がないので費用を抑えるためにカバー工法する方が多いです。
今ある屋根に新しい屋根を被せるだけなので、廃材撤去費用や処分費用、人件費がかからないのが魅力でしょう。
断熱性・防音性・防水性が高まる
屋根の厚みが増すため、熱や音などの外からの影響を受けにくくなります。
また、金属製の屋根材でカバーするので、防水効果も期待できるでしょう。
ガルバリウム鋼板にさらに断熱性・防音性の加工を施した屋根材も流通しているので、少し予算を上げるとこれらの効果がさらに期待できますよ。
工期が短くて済む
屋根の解体や撤去がないので工期が短く、最短で2~3日で完了する場合も。
葺き替えの場合7~10日ほどかかるので、半分以下の工期で完了することがわかりますね。
工期が短いとその分の人件費も削減できるので、費用の心配も減ります。
もちろん屋根面積や屋根業者の営業日との兼ね合いもあるので、要相談です。
屋根の葺き替え工事とカバー工法の違い|メリット・デメリットも比較
ここまでカバー工法のメリット・デメリットについて解説してきました。
カバー工法への理解が深まったところで「屋根の葺き替え工事とどう違うの?」と考える方もいるでしょう。
そこで、葺き替え工事とカバー工法を比較するため、特徴を表にまとめました。
メリット・デメリットもあわせて見ることができるので、ご自宅にどちらの工法があっているか考える参考にしてくださいね。
葺き替え工事とカバー工法のどちらがご自宅の屋根にあうか、なんとなくわかりましたか?
もしカバー工法をするなら知っておきたい「対応できない屋根」があるので、以下の章もご覧ください。
屋根カバー工法のデメリットが目立つ状態とは
カバー工法にはデメリットがあり、どんな屋根にでもできるわけではありません。
この章では、カバー工法をしない方が良い屋根や、できない屋根をご紹介します。
瓦屋根はデメリットの章でご紹介したので割愛します。
以下2つの屋根はカバー工法を避けましょう。
・屋根材の劣化や破損が激しい屋根
・煙突や天窓のある屋根
屋根材の劣化や破損が激しい屋根
カバー工法は今ある屋根の上に屋根を被せます。
そのため、下になる屋根自体がしっかりしていなければカバー工法はできません。
下になる屋根や屋根下地、防水シートが破損したままだと、雨漏りの原因になります。
仮に破損したままカバー工法を行うと、いざ雨漏りなどの問題が発生したときに、屋根を2枚分はがすことに。
雨漏りの原因特定が困難になるので費用も被害も拡大することもあります。
また、下の屋根はカバー工法を行った後基本的には目視できないため、将来のメンテナンスが大変になるでしょう。
煙突や天窓のある屋根
煙突や天窓などの突起物がある屋根は、基本的にカバー工法をおすすめできません。
カバー工法をするタイミングは微妙で、築15年程度で行う方が多いですが屋根材の寿命としては早すぎます。
一方築30年でカバー工法をするなら屋根の寿命なので、葺き替え工事を行う方が無難でしょう。
カバー工法を行うとき、煙突や天窓はそのままなので、メンテナンス時期のずれが発生します。
また、2重になった屋根と突起物との間に雨水やごみが溜まりやすくなるため、雨漏りが起きる可能性が高まるでしょう。
このようにカバー工法に適さない屋根があるので、覚えておきましょう。
こちらの記事では、スレート屋根の場合でカバー工法をしない方が良い屋根や家に関して幅広く解説しています。
スレート屋根にお住まいでカバー工法を検討中の方は、ぜひご覧ください。
屋根のカバー工法のデメリットは万能ではないところ
屋根の破損や老朽化に「カバー工法」が万能薬のように勧められていますが、上述したようにデメリットや施工できない屋根が存在します。
もちろんご自宅の屋根の状態や屋根材により、メリットが大きくなることもあるでしょう。
そこでカバー工法を検討されている方が後悔しないために、事前に知るべき注意点2つをご紹介します。
1:屋根カバー工法は火災保険適応外
2:屋根カバー工法の飛び込み営業はデメリットの種?
注意点①|屋根カバー工法は火災保険適応外
「屋根修理に火災保険が使えるって本当?」という声を耳にしますが、残念ながらカバー工法による屋根修理は火災保険適応外です。
なぜならカバー工法は、新しい屋根材を使用し現在の屋根の上に乗せる工法のためです。
基本的に火災保険は以下2つのことを適応範囲内としています。
・同じ屋根材を使用し破損を元に戻す、または交換する
・台風や地震などの天災による被害
経年劣化も適応外なので、カバー工法に火災保険は基本的に使用できないと覚えておきましょう。
注意点②|屋根カバー工法の飛び込み営業はデメリットの種?
「屋根が割れていて老朽化しているのでカバー工法しませんか?」と飛び込み営業をしてくる屋根業者には要注意です。
なぜなら実際にはそこまで老朽化していなくても、修理を開始して費用を請求してくる業者がいるからです。
中には修理過程で破損していない箇所まで修理や交換することで、見積もりより請求額が高額になるケースも。
もちろん全ての業者ではありませんが、基本的に飛び込み営業はお断りして信頼できる業者を調べて依頼する方が良いでしょう。
屋根をカバー工法するか迷ったら
屋根の状態を正しく把握していないとカバー工法にするか、葺き替えにするか判断に困りますよね。
そんなときは信頼できる屋根屋に相談しましょう。
石川商店は「屋根で損する人をゼロにしたい」と考え、相談や点検、修理まで承っております。
「そろそろ屋根が老朽化してきたかも…」と思ったら、まずはお気軽にご連絡ください。
無料相談で安心ですよ!
まとめ:屋根をカバー工法するデメリットと注意点を確認
今回はカバー工法のデメリットを中心にカバー工法について解説しました。
カバー工法を検討している方は、ご自宅の屋根の築年数や状態と照らしあわせてみましょう。
特に費用面は、メリットでもありデメリットでもあるので、しっかりと見積もりを取ることをおすすめします。
また、後悔しないために注意点を意識して飛び込み営業には気をつけ、信頼できる業者に相談しましょう。
石川商店は、いつでもあなたからの相談をお待ちしております。
石川商店からのお願い
記事を最後まで読んでいただきありがとうございます。
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また、もしもっと知りたいこと、分かりづらかったことなどあれば下のコメント欄にご意見いただければと思います。
日々屋根にお困りのお客様にとって必要な情報をお伝えするために、ご参考にさせて頂きます。
3階建ての家にカバーこうほうは大丈夫ですか?
青ちゃん さま、石川商店の石川です。
記事のとおりカバー工法の目的によりますが、3階建てでのカバー工法自体には、問題はありません。
対地震で言えば、同じ強度で屋根が重くなれば、耐震性は下がるのは間違いはありません。
ただ建築基準の軽い屋根の判定のままで納まる、ガルバなどの金属やシングル屋根材でカバーすれば、そこまで大きな問題ではないとの判断を業界としてはしています。
現実、大手のハウスメーカーも含め、カバー工法は積極的に行われています。