本記事の目次
屋根の機能を維持するメンテナンスとは
まず屋根に課せられた役目は、『雨水を家の中に入れない』ことです。そのミッションをこなすために必要なことは
・定期的な屋根点検でひび割れなどあれば補修
・築15年前後で棟交換(約1万円/m)
・築約30年で屋根材の葺き替え
です。
ひび割れは塗装ではカバーできないため、接着剤で補修します。
屋根塗装がリフォームに分類されるのは何故か
塗装は、屋根材のメーカーの施工マニュアルにも書いてありますが『美観』が主な目的。
たとえ撥水効果があっても『家の中に水を入れない』という防水効果には直接関係ありません。
それは降った雨水の8割か9割が屋根材を伝わって下へ流れ落ち、構造上どうしても入り込む1割か2割の雨水は、屋根材全面に貼られた防水シート(ルーフィング)で防いでいるからです。
塗装を一度もしないで耐用年数を全うできる?
スレート屋根材自体は塗装せず30~40年は防水機能を維持します。
もし塗装で屋根材の劣化を遅らせることができたとしても、防水シートの耐用年数が約30年なので、葺き替え時期をすごく延ばせるということには残念ながらなりません。
でもでも我が家が美しくあれば、愛着が湧き住んでいて心地がよい!!
そこで、失敗しない屋根塗装する際のちょっとしたポイントをご紹介します。
屋根塗装で雨漏りリスクが上がってしまう理由
屋根材は雨水を下へ流すために、もともとウロコのように重ねて葺いてありますが、塗装をするとその屋根と屋根の重なりの隙間が塗料の膜で塞がります。
その塞がった状態で放置しておくと雨水が流れ落ちず逃げ場がなくなり、屋根下にたまっていく水が防水シートのちょっとしたビス穴などの隙間から入り、雨漏りになってしまいます。
通常の塗装屋さんでは、『縁切り』という塗膜を切る作業か、または『スペンサー』という屋根材の間に挟む小さな金具を使い、屋根になくてはならない重なりの隙間を確保しますが、雨漏り修理で伺う家でよくあるのが、この塗膜を放置したままによるもの。
もう一つ、塗装時の高圧洗浄含め作業員が屋根を歩いてできる『踏み割れ』。最初は目に見えなくても10年ほど経ってくるとヒビ割れになっていってしまうことも。
塗装工事の契約を交わす前に『縁切り』してくれるか確認がポイント
工事全般にそうですが、私たちには分からない用語が満載。業者側の説明のまま契約してしまいがちです。
でも屋根塗装の際は、この「縁切りしてくれますか?」という質問をなげかけてみてください。
誤解のないように、ほとんどの塗装業者さんでは当たり前の仕事のはずです。けど悪質なリフォーム業者による手抜き工事の雨漏りは現実にあります。
業者さんに言いづらいという方もいらっしゃるかとおもいますが、後で雨漏りして家自体を傷めてしまう前に。
修理費のかかる大工事に発展しないためにもここは勇気をもって!!
まとめ
機能維持のメンテナンスと機能追加のリフォームの違い、相場50~100万円近くかかる屋根塗装を『一度もしない』という選択もあること、塗装する際は『縁切り』が屋根にとってとても大切であるということを書きました。
業者さんへの質問の仕方や屋根で分からないことがありましたら、ぜひメール、LINE公式アカウント、電話でお気軽にご相談ください。
それではまた
日々会社に舞い込むお困り事や作業内容を基に、
いつか立派な屋根屋スタッフになれる日を夢見て勉強中。
- 井上 利里子(イノウエ リサコ)
- 【ニックネーム】 Ri-chang
- 【目標】 道を覚える人になる
- 【最近】 stayhomeで体重増加中!!
屋根専門石川商店HP:riverstone-roofing.com
石川商店からのお願い
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現在レサス屋根の塗装と葺き替えで迷っています。三社に見積もりしてもらいましたが一社は塗装出来ないからカバー工法を進めてきたが高額です。もう一社はパミール以外は塗装できるので問題無いと言われました。築18年で葺き替えにはまだ早い気がするのですが壁面のサイディングの浮きや目地の劣化が気になり何がベストか分からなくなりあちこち検索しています。屋根は手を付けず壁のみが良いのか?足場代を考え思い切って屋根の葺き替えもした方が良いのか?迷います。ローンを組むには定年までの後10年のいまがチャンスですが。安いに越したことがないため答えが出ません。アドバイスお願いします。ちなみに私は田島ルーフィングの社員で、お客様でもあるのであつかましいのですが。宜しくお願いします。
サンタ さま、石川商店の石川弘樹です。
田島の社員さんであれば、屋根の防水は、最終ルーフィング次第ということをご存知だと思います。笑
釈迦に説法だとは思いますが、屋根材の表面を塗装しても、屋根の防水には意味がありません。
なので、防水機能を維持するためのメンテナンスとしては、塗装は不要です。
そのうえで、見た目や暑さ対策で塗装したいのであれば、塗装不可能ではありませんが、レサスは特に踏み割れがひどい場合が多いので、あまりおすすめしません。、
ひび割れがまだ全体の5%前後であれば、今は、ひび割れの接着補修などでしのぎ、築30年前後の外壁メンテナンスのタイミングで、屋根も葺き替えるというのが合理的だとは思います。
ひび割れの量が10%以上であれば、もっとも安心なのは、葺き替えですが、費用面だけであれば、カバー工法がもっとも合理的だとは思います。
なので、あとはひび割れの量と、屋根の条件、あと何年今の家に住みたいかの兼ね合いで、よい選択をしていくのがよいと思います。
塗装、カバー工法については、これらの記事が参考になると思います。
■ ニチハ「 パミール 」 カバー工法も、塗装もNG。結露するから撤去しよう | 石川商店
https://riverstone-roofing.com/reconew/nichiha-pamir2/
■ スレート屋根で、カバー工法がむいてない家、葺き替えや部分補修がよい家 | 石川商店
https://riverstone-roofing.com/basic/cover-2020/
以上、参考になれば幸いです。
また何か新たな疑問などございましたら、お気軽にご相談くださいませ。