本記事の目次
台風に強い屋根材を選ぶ際のポイント
台風の被害に遭わない、または被害を軽くするにはどのような屋根材を選ぶべきか迷いますよね。
しかし、屋根材を選ぶためには屋根材を選ぶポイントを知る必要があるでしょう。
台風に強い屋根材を選ぶ際のポイントは、大きく分けて以下3つあります。
順番に解説していきます。
・耐風性能
・防水性能
・重量
耐風性能
強風で屋根が飛んでしまうと近隣の住宅だけでなく、最悪の場合住民の方にも被害が及ぶ可能性があります。
また、屋根が風でめくれたりはがれたりすると、雨漏りなどの恐れがありますね。
こうした被害を防ぐためにも、強風でもめくれたりはがれたりしないように接着ができる屋根材を選びましょう。
防水性能
台風のときには様々な方向から雨が吹き込むため、どんな方向からでも雨を防げるように隙間ができない屋根材と工法が必要になります。
また屋根材自体の劣化や破損により、ひび割れやはがれが発生するとそこから雨漏りしてしまうので、防水性とあわせて耐久性にも注意しましょう。
重量
できるだけ重い屋根材を使用すれば重量面をクリアできるわけではありません。
なぜなら瞬間風速25m/sは非常に強い風とされていて、1番重い瓦をも飛ばしてしまいます。
強烈な風と呼ばれる瞬間風速40~50m/sなら特急電車と同じくらいの速度になり、固定が不十分な金属を飛ばすことも可能です。
屋根材を重くすることで「飛ばなくて安全」ではなく、むしろ重いものが飛んでくる危険が増します。
ある程度の重さと、飛ばないように固定できる工法が重要になるでしょう。
台風に強い屋根材とは?種類別に特徴をご紹介
前の章では、台風に強い屋根材を選ぶポイントがわかりましたね。
では、どの種類な屋根材が台風に強いのか、日本で一般的に戸建て住宅に使われる屋根材をご紹介します。
以下、4種類の屋根材を順番に取り上げていきます。
台風に強い屋根材を選ぶポイントを頭に入れながらチェックしましょう。
・瓦
・スレート
・ガルバリウム鋼板
・アスファルトシングル
1:重量があり耐久性が高い「瓦屋根」
1つ目にご紹介するのは、瓦屋根です。
瓦屋根の特徴を以下4点にまとめました。
・瓦は粘土を成形し高温で焼き固めてつくる
・耐久年数が高く20~60年もつ
・屋根材中で1番重く、多少強い風が吹いても飛ばない
・焼き物なので耐水性能に優れていて、雨がしみて腐ることがない
一見、台風に最適と思われがちですが、先述した通り瞬間風速が25m/sを超えると飛んでしまう恐れがあります。
通常の瓦以外にも「防災瓦」というものがあるのをご存知ですか?
防災瓦の特徴を以下4点にまとめました。
・台風や地震対策として考案された瓦
・耐久性は通常の瓦と同様
・通常の瓦よりも軽くつくられていて、施工時に1枚1枚の瓦が噛み合うような仕組みである
・釘で固定するので瓦を軽量にしても安心
瓦同士ががっちりと噛み合うことで、台風や地震に対抗できる固定力を持っています。
瓦屋根を葺く場合は、ずれたり飛んだりすることがないよう下地にしっかりと固定することが重要です。
また、定期的な点検を行い瓦や下地が劣化していないか、しっかりと瓦が下地に固定されているかを確認する必要があります。
瓦屋根の雨漏りでお困りの方は、費用を安くする方法を解説しているのでこちらもご覧ください。
2:塗膜に高い防水効果がある「スレート屋根」
次にご紹介するのはスレート屋根です。
スレートの特徴を6つにまとめました。
・主にセメントを原料につくられている薄い板で厚さは5mm程度
・重量は瓦の2分の1~3分の1程度
・通常通り施工されれば簡単にはがれたり飛んだりすることはない
・スレート自体には防水性能はないが、防水効果のある塗膜を塗って雨を防げる
・耐久年数は約30年と長い
・カラーなどの加工がしやすい点が人気
このような便利なスレートですが、セメントや粘土などの軽い石を焼き上げているため割れやすい特徴があります。
また、見た目がキレイで遠めだとひび割れに気づきにくく、放っておくと雨漏りを引き起こす原因に。
割れていないように見えるスレートでも、ヘアークラックという見えないひびが入っていることも。
スレートは、紫外線や雨風により施工から時間が経つと劣化してしまいます。
スレート自体が劣化した場合、反り返って下地との間に隙間が生じます。
ここから雨が入り込んでしまうことがあるので、定期的な点検が必要です。
また、防水効果のある塗膜が劣化してはげてしまうと、防水効果が損なわれます。
最初に施工してから10年後に1度点検し、その後は5年おきに点検することをおすすめします。
スレートについて詳しく知りたい方はこちらも必見です。
3:金属ながらサビに強い「ガルバリウム鋼板屋根」
3つ目にご紹介するのはガルバリウム鋼板を使用した屋根です。
ガルバリウム鋼板の特徴を5点まとめました。
・鋼板にアルミニウムは亜鉛などでメッキ加工した板
・屋根材として施工する場合、隙間が空きにくく強風ではがれたり飛んだりしにくい
・素材自体が金属のため防水性能が非常に高い
・金属なのにサビにくく劣化しづらい
・耐久年数は15~50年と、しっかりメンテナンスすれば長く使える
ガルバリウム鋼板のメリットをお伝えしましたが、デメリットがあるとすれば、軽量なのではがれやすい点でしょう。
施工時しっかりと下地と固定されていれば問題ありません。
しかし、ガルバリウム鋼板は軽量で薄いため、しっかりと固定されていないと台風などの強風で飛ばされてしまいます。
ガルバリウム鋼板はサビに強いことが特徴だと先述しましたが、飛来物がぶつかるなどして加工がはげてしまうとその部分からサビてしまいます。
サビに強いとは言え、定期的な塗装やメンテナンスは必要です。
4:施工がしやすく防水・防風効果が高い「アスファルトシングル屋根」
最後にご紹介するのはアスファルトシングル屋根です。
アスファルトシングルの特徴を4つまとめました。
・グラスファイバーなどの繊維をシート状にして、表面を砂粒で加工したもの
・原料が繊維なので柔軟性に長けていて、曲がった部分にも貼ることが可能
・防水性能が高い
・耐用年数は10年〜30年が一般的
施工時は屋根材上部を釘で固定し、下部をセメントで固定します。
上部を釘で固定していますが、下部はセメント系接着剤で接着しているので、劣化すると下の方からはがれてしまいます。
はがれた場合、繊維なのでちぎれて飛散してしまうことも。
特にセメント量や圧着が不十分だと、台風などの強風で飛ばされやすいので定期的なメンテナンスは欠かせません。
また定期的なチェックやメンテナンスを怠ると、より劣化を早めてしまう原因となるので、メンテナンスを怠らないようにしなければなりません。
アスファルトシングルについて詳しく知りたい方はこちらもご覧ください。
台風被害に遭いやすい屋根の形状
これまで、台風に強い屋根材について解説してきました。
次はどのような形状の屋根が台風に弱いのか解説します。
台風被害に遭いやすい屋根の形状4つと、それぞれの特徴を表にまとめました。
あなたのご自宅は台風に弱い家に当てはまりましたか?
当てはまってしまっても、台風に強い屋根材とその特徴を活かす工法で屋根をメンテナンスできれば安心ですよ。
台風に強い屋根材の特徴を活かす工法
台風に強い屋根の形状がわかったところで、次は台風に強い屋根材を活かす工法を2つご紹介します。
以下に工法をまとめましたので、順番に解説していきます。
・瓦屋根標準設計・施工ガイドライン
・鋼板製屋根構法標準(SSR 2007)
瓦屋根標準設計・施工ガイドライン
瓦屋根標準設計・施工ガイドラインとは、災害時に屋根の落下を防止するために2001年につくられたガイドラインです。
主に粘土瓦と厚型スレートを対象としたもので、施工方法は屋根に釘やビスを使って固定します。
これにより、従来の施工方法よりも台風性能が高くなりますが、細かい施工方法は地域により異なります。
なぜなら全国自治体で定められた台風の基準風速をもとに、基準風速でも屋根材が落下しないように施工されるからです。
鋼板製屋根構法標準(SSR 2007)
瓦やスレートを対象とした施工ガイドラインとは異なり、金属の屋根材に対して設けられたガイドラインが、鋼板製屋根構法標準(SSR 2007)です。
以前は金属の屋根材に対する共通ガイドラインはありませんでしたが、1977につくられてから複数回の改定を経て現在は2007が最新版とされています。
設計・施工の流れなどの明確化、屋根材ごとの試験方法や評価方法の確認により、台風などの強風による被害低減を目的としています。
台風に強い屋根材でも、台風の被害にあった場合の対処法
いくら台風に強い屋根材を取り入れても、台風の被害が避けられないことはあるでしょう。
そこで台風の被害に遭ってしまった場合の対処法をご紹介します。
以下の4つの行動を1~4の順番に行いましょう。
それぞれ順番に解説していきます。
1.近隣に被害が及んでいないか確認する
2.屋根業者へ連絡する
3.保険会社へ連絡する
4.火災保険を申請する
1:近隣に被害が及んでいないか確認する
まず屋根材が飛んでしまった場合は、自宅敷地内だけでなく近所の建物敷地内や道路に飛散していないかを確認しましょう。
台風での被害は不可抗力なので弁償義務はありませんが、破損したものやその度合いによっては修理費用を負担することもあります。
今後のご近所付き合いに支障が出ないよう、注意深く被害を確認すると良いでしょう。
2:屋根業者へ連絡する
近隣への被害が確認できたら、次は屋根修理のプロを呼びましょう。
このとき決してあなた自身でなんとかしようとしたり、屋根の上にのぼらないようにしてください。
屋根の上は高くて危険ですし、屋根材の特徴を詳しく知らないと屋根材を破損させる可能性があります。
かえって屋根の状態を悪化させ、雨漏りの原因になることもあります。
必ずプロの屋根業者を呼び、予算の見積もりを出してもらいましょう。
このとき、火災保険を使用する予定があることも伝えておくと後の手続きがスムーズです。
また、修理前の状況を写真に撮っておくと後日、請求箇所が違うなどのトラブルを避けられます。
危険なので、信頼できる屋根の修理業者にお願いしましょう。
3:保険会社へ連絡する
屋根の破損状況を確認したら、保険会社に連絡して自然災害の補償を受けられるか確認してみましょう。
ほとんどの火災保険は、特約として台風などの自然災害の補償を受けられます。
屋根のふき替えとなると高額になりますし、雨漏りしていた場合屋根だけの修理では済まない可能性も。
このとき、早めに連絡することをおすすめします。
なぜなら同じ地域で同様の被害が多数出ている場合、保険会社が対応に追われて連絡がつきにくくなる可能性があるからです。
4:火災保険を申請する
保険が適用できるなら必要書類を送ってもらいましょう。
必要書類を返送し、火災保険の申請をします。
破損状況確認のため、保険会社が実際に見に来ることがあります。
申請が通れば保険金がおりるので、再度屋根業者に連絡して修理してもらいましょう。
保険金の金額によっては、一部自己負担または自己負担なしで修理できますよ。
台風の被害に遭うと、外から被害状況が見えるため飛び込み営業をしてくる業者がいます。
飛び込み営業は、はっきりと断りましょう。
なぜなら「無料で修理する」と言って、後から法外な費用を請求してくることがほとんどだからです。
また悪質な手口としては、被害のない屋根をはがして修理するために費用を請求するパターンがあり、被害が多発しています。
屋根の修理業者は、飛び込み営業ではなくあなたが選んだ信頼できるところに依頼しましょう。
まとめ:台風に強い屋根材にするには日々のメンテナンスが大切!
今回は、台風に強い屋根材の選び方やそれぞれの特徴を解説しました。
- ここまでのまとめ!
- 【1】どんなに強い屋根材でもメンテナンスを怠ると、劣化しやすくなる。
- 【2】台風被害に遭いやすい屋根の形状それぞれに、メリット・デメリットがある。
- 【3】台風被害に遭ってしまったときは、早めに火災保険を利用できるか確認する。
「台風に強い屋根なら心配いらない!」と思うかもしれません。
しかし、台風被害はいつ、どのくらいの規模で起こるかわからないので不安ですよね。
日々のメンテナンスやいざという時は、信頼できる屋根業者に相談してみましょう。
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