本記事の目次
台風に弱い屋根とはどんな屋根なのか・・・?
これから訪れる台風の季節、大変な被害に合わないように事前に台風に強い屋根にするべく補修工事のご相談が石川商店には多く寄せられます。
ただ、一言に台風に弱い屋根と言っても最初から弱い訳ではなく経年劣化によって台風で破損してしまいやすくなってしまうという事なので、事前にメンテナンスをしておく事で台風の被害を受けにくくなります。
それでは、屋根のタイプ別に補修方法やメンテナンス時期も違ってくるのでそれぞれタイプ別にご紹介していきます。
スレート屋根
スレート屋根とはセメントに繊維を混ぜてプレスした薄い板(これをスレートという)を使用した屋根の事をいいます。
このスレートは安価で軽量で加工も簡単なので施工費も安く出来ることでよく使われています。
スレート屋根の台風被害でよくご相談があるのが『屋根材が飛ぶ』です。
それは経年劣化により起こりうる被害で、屋根材だけが飛ばされたり下地ごと飛ばされてしまったりとメンテナンスを怠ると大きな被害となってしまいます。
スレート屋根のメンテナンス時期は5年、15年、30年
では、具体的にどのくらいの時期にどういうメンテナンスをすればいいのでしょうか。
時期で言うと5年、15年、30年でメンテナンスをしてもらうのがいいです。
スレート屋根の劣化は下記の様な流れて起きていくので上記の年数でそれぞれ必要なメンテナンスをお勧めします。
それでは、どういったメンテナンスが必要なのかとその費用についてお話していきます。
【スレート屋根の劣化の流れ】
スレートのひび割れ発生
↓
屋根のてっぺんのフタ部分の劣化
↓
屋根の防水シートが劣化
↓
屋根材の下地の木材が水分で強度不足
↓
防水性や耐風性の弱体化
この様な流れで劣化が起きてくるのでその時期が大体5年、15年、30年となります。
※ 費用は、屋根面積が30坪、100㎡の家を想定しています。目安としてお使いください。
5年ごと:ひび割れ補修【1~3万円】
屋根材の強度が弱くなってくるとひび割れの症状が現れ始めます。
5年ごとを目安に点検し、ひび割れがあれば補修しておくことでひび割れの拡大防止や屋根材の飛散防止に繋がります。
補修作業自体は、ひび割れの箇所に接着材を入れてしっかりと固定するだけなので費用自体も安くで出来るので大事に至る前に補修しておきましょう。
因みに接着剤でのひび割れ補修の効果はおよそ30年~40年も接着効果が持続します。
どうですか?驚きました?
値段の割に接着効果の持続も長いのでコスパのいい補修だと言えますよね。
【接着剤での施工例】
築15年:棟交換【10万円~30万円】
築15年くらいが目安にはなりますが、今度は棟(屋根のてっぺん)が劣化してきます。
棟板金(屋根のてっぺんの金属のフタ)の下地の木材が劣化し、棟板金をとめている釘まわりが腐ってきて棟板金が飛んでいってしまったり下地の木材ごと飛んでしまったりするので棟交換をする際は下地の木材も新しい物に交換します。
費用は大体10万円~30万円かかります。
【棟交換の施工例】
築30年:葺き替え工事で屋根の下地補強【約180万円】
築30年にもなってくると、防水シートが劣化したり屋根の下地の木材の劣化が起きたりします。
屋根の下地の補強の費用は約20万円~40万円です。
それなら屋根の下地だけの補強・・・といきたいところですが、下地の木材を補強するには屋根材をすべて外す必要があるので下地だけの補強ができません。
なので、下地の補強と一緒に屋根材も新しい物に交換する葺き替え工事をお勧めします。
そうする事で屋根材も下地の木材も新しくなるので屋根の強度が増します。
作業内容としては、古い屋根材をはがし古い防水シートも結露の原因になってしまうので、できるだけ剥がしてしまいます。
そしてその上から新しい下地の木材を張り付けて防水シートを貼っていき、新しい屋根材を施工するという流れになります。
ここまでしっかりと補修工事をやるので屋根の㎡数などにもよりますが約180万円くらいです。
せっかく費用をかけて葺き替え工事をされるなら、スレート屋根材の強風対策工事という物があり石川商店ではそちらをお勧めしています。
▼▼▼合わせて読みたいスレート屋根の台風対策▼▼▼
和瓦・洋瓦屋根
和瓦・洋瓦屋根の台風被害で多いのが『屋根の風当たりが強い部分がめくれて飛ぶ』です。
これらの原因の多くは置いただけの古い工法のまま放置されてる事で飛んでいってしまったり、固定している木材の劣化により飛んでしまう事が多い様に思います。
和瓦・洋瓦屋根のメンテナンス時期は15年、30年
和瓦・洋瓦屋根のメンテナンス時期は15年、30年を目安に考えましょう。
屋根の劣化は下記流れで起きてきます。
【屋根の劣化の流れ】
屋根のてっぺんのフタ(棟)部分の劣化
↓
屋根の防水シートが劣化
この様な流れで劣化が起きてくるのでその時期が大体15年、30年となります。
※ 費用は、屋根面積が30坪、100㎡の家を想定しています。目安としてお使いください。
築15年:棟の取り直し【15万円~27万円】
築15年すると瓦の下の土台の土や木材が劣化して地震や台風で瓦が外れて飛んだり、崩れたりする被害が起こりうるので、被害が出る前にしっかりとメンテナンスをしておきましょう。
古い工法では土の上に瓦を乗せて銅線でぐるっと結ぶという単純な方法ですが、阪神大震災後『ガイドライン工法』という阪神大震災と同じ規模の地震が来ても耐えられるという耐震工法が出来たので是非ガイドライン工法でやりましょう。
築30年:屋根の葺き直し、葺き替え【110万円~250万円】
築30年くらいになってくると屋根の防水シートの劣化が起きてくるので、そこで必要になってくるのが屋根の葺き替え、葺き直しです。
因みに『葺き替え』と『葺き直し』の違いですが、『葺き替え』は瓦も新しい物に交換するのに対し『葺き直し』は今使っている瓦の使えるものは再利用する違いがあります。
費用としては、屋根の大きさや葺き直しに関しては再利用できる瓦の量にもよって変わって来ますが下記を目安にお考え下さい。
『葺き直し』は約110万円~150万円
『葺き替え』は約190万円~250万円
瓦屋根は瓦の形によっても工事内容や費用も変わってくるので、下記記事で瓦のタイプや費用を詳しく解説してますので詳しくはそちらをご覧ください。
▼▼▼合わせて読みたい和瓦・洋瓦の台風対策記事▼▼▼
金属屋根
トタンやガルバリウムという金属を使った屋根も台風等の強風で屋根材がめくれて飛んで行ってしまいます。
テレビなどの台風中継で目にした方もいらっしゃるのではないでしょうか。
この、金属屋根は瓦屋根やスレート屋根とは違い部分的に修理するのが難しいんです。
なので一度被害が出てしまうと費用のかかる葺き替え工事なんてことになりかねないので、メンテナンスをしっかりとしていただいた方がいいと思います。
ガルバリウム、金属屋根のメンテナンス時期は15年、30年
ガルバリウム、金属屋根のメンテナンス時期は15年、30年が目安になります。
屋根の劣化は下記流れで起きてきます。
【屋根の劣化の流れ】
屋根のてっぺんのフタ部分の劣化(固定用に木材が使われている場合)
↓
屋根の防水シートが劣化
↓
屋根の「 軒先 のきさき 」(傾斜の先端部)の下地の木材の傷み
この様な流れで劣化が起きてくるのでその時期が大体15年、30年となります。
※ 費用は、屋根面積が30坪、100㎡の家を想定しています。目安としてお使いください。
築15年:棟交換【10〜30万円】(固定用に木材が使われている場合)
この様に屋根のてっぺんに金属のフタの固定用に木材が使われている場合は、この木材が劣化して金属のフタが飛ばされたりしてしまうので、必ず木材も一緒に交換をしましょう。
棟交換の費用としては10万円~30万円です。
【新しい木材】
【新しい棟板金に交換完了】
築30年: 葺き替え+ 木下地の強化【200万円】
板金屋根は、屋根の『軒先(のきさき)』(傾斜の先端部)から、屋根の下地の木材が弱くなりがちです。
台風の強風対策として、葺き替え工事で古い屋根材をはがし、新しい下地の木材を古い屋根の下地の上からもう1枚貼り防水シートをその上から貼っていきます。
ガルバリウム、金属屋根の場合木下地だけの補強はできないので葺き替えと合あせて行う事になるので約200万円ほどかかります。
【古い屋根材の撤去】
【新しい木下地を貼る】
【新しい防水シートを貼り付け】
【葺き替え+木下地補強 完了】
▼▼▼合わせて読みたいガルバリウム・金属屋根の台風対策▼▼▼
まとめ
今回は台風に備えて築年数に応じたメンテナンス方法をご紹介させていただきました。
被害に合う前に事前にメンテナンスをして台風や地震などの災害に備えておきましょう。
石川商店は屋根のセカンドオピニオンとして全国からのご相談を受け付けています。
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- 創業75年、屋根専門石川商店の三代目。石川弘樹(いしかわひろき)です。
- 【継続は力なり】
- 禁煙2009年〜、禁酒2017年1月〜、筋トレ2018年6月〜、禁チョコ爆食い2018年12月〜、ダイエット2019年1月〜、ストレッチ2020年1月〜
- 【資格】
- 1級かわらぶき技能士、瓦屋根工事技士、全日本瓦工事業連盟認定 瓦屋根診断士、全日本瓦工事業連盟認定 耐震化講師、耐震プランナー、増改築相談員、古民家鑑定士、ホームインスペクター(住宅診断士)、ジュニアリフォームソムリエ、リフォームスタイリスト1級、リフォーム提案士、ライフスタイルプランナー
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