落雪によるトラブル防止「点・線・面」で止める3種類の雪止めの特徴と後付け費用の相場

石川 弘樹
石川 弘樹
  • 屋根で損する人をゼロにしたい、屋根屋の石川商店の三代目、石川弘樹です。

     

    屋根に積もった雪が落ちて、駐車場の車やカーポートを壊してしまったり、お隣の敷地内に雪が落ちて迷惑をかけてしまう、なんてことが起きたら困ってしまいますよね。

     

    ・今年こそは、屋根から雪を落としたくない
    ・屋根塗装したら、雪が落ちるようになってしまった
    ・屋根のカバー工法で金属屋根材にしたら、雪が落ちた

     

    という人のために、3種類の雪止めの特徴、後付けで設置する工事費用についてお話しします。

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この記事はこんな人におすすめ

・我が家に適切な雪止めが、分からない
・屋根塗装したら、雪が落ちるようになってしまった
・屋根のカバー工法で金属屋根材にしたら、雪が落ちた
・雪止めの後付け設置の、相場感が分からない

この記事で伝えたいこと

 

屋根の落雪トラブル防止「 雪止め 」3種類の
・「 種類 」の違いが分かる
・「 効果 」の違いが分かる
・「 金額 」の違いが分かる

 

落雪によるトラブル防止「点・線・面」で止める3種類の雪止めの特徴と後付け費用の相場

屋根で損する人をゼロにしたい、屋根屋の石川商店の三代目、石川弘樹です。

 

屋根に積もった雪が落ちて、駐車場の車やカーポートを壊してしまったり、お隣の敷地内に雪が落ちて迷惑をかけてしまう、なんてことが起きたら困ってしまいますよね。

 

・今年こそは、屋根から雪を落としたくない
・屋根塗装したら、雪が落ちるようになってしまった
・屋根のカバー工法で金属屋根材にしたら、雪が落ちた

という人のために、3種類の雪止めの特徴、後付けで設置する工事費用についてお話しします。

 

 

【参考】雪が落ちる主な原因

雪が落ちる主な原因は、

    • ● 新築時や葺き替え後に未設置
    • ● 屋根塗装、ガルバの金属カバー工法で滑りやすくなった
    • ● 金具( 点 ) の、間から抜け落ちる
    • ● 金具や横棒( 線 ) の、高さを超えて落ちる
    • ● 金具や横棒より、先端部分の雪が落ちる

です。

これらの落雪の原因に対処するのが、各雪止めになります。

 

 

雪止めの種類ごとの特徴と費用相場一覧

 

雪の止め方
雪止めの種類金具アングル( 横棒 )ネット( 金網 )
落雪防止度
※ 目安
70~85%80~90%95%
短所高さを超えて落ちる
間からすり抜ける
先端部分から落ちる
金具が必要
高さを超えて落ちる
先端部分から落ちる
足場がほぼ必須
幅が一定のモノも
長所どこでも設置可
安い
金具の間の穴埋め先端部分まで効く
高さを超えても落ちにくい
金額( 1mあたり )4,500円~16,500円~15,000円~
+ 足場

 

以下、順番に解説します。

 

 

① 点で止める、雪止め「 金具 」

屋根材と屋根材の間に点々と突起になる金具を設置することで、そこに雪が留まって固まり屋根の上で雪が止まったまま溶けるようになります。

 

降った直後や雪解け初期の大きな落雪を、しっかりキャッチできます。

 

■ 雪止め金具 新規設置
雪を点で止める「金具」1雪を点で止める「金具」2

 

金具の落雪防止度70~85%

雪止めが、全くついてない状態に、軒先に雪止め金具を後付け設置をすると、落雪の70~80%は抑えられる感じです。

 

金具が軒先についている屋根面の、中段や上段などに追加設置することで、落雪防止度は85%くらいになる感じです。

 

金具の長所「 気軽さ 」

雪止め金具の長所は、何もない屋根面の、どこにでも設置できるところです。

また屋根の形状や傾斜によっては、足場が無くても作業できるので、費用面でも気軽に設置できます。

 

金具の短所「 間から落ちる 」

雪止め金具の短所は、設置して金具と金具の間から、落雪してしまうときがあるということです。

落雪の主な原因は、下記の通りです。

 

金具があっても落雪する原因

雪止め金具をつけていても落雪する主な原因は、

    • ● 高さを超えて落ちる
      ● 間からすり抜ける
    • ● 先端部分から落ちる

です。

 

高さを超えて落ちる

根本的に、雪止め金具の高さを超える量の雪が降れば、金具がついていても落雪してしまいます。

 

これは単純に雪の量もありますが、屋根全体で受けた雪を、軒先の雪止め金具だけで止めようとすると、屋根の大きさによっては金具の高さを超えてしまうということが起こります。

 

この場合は金具を軒先だけでなく、中段や上段に追加設置し、雪を分散することで落雪の確率を抑えることができ、落雪防止度は85%くらいです。

■ 雪止め金具 追加設置
雪を点で止める「金具」3雪を点で止める「金具」4

 

間からすり抜ける

金具は通常、30~45cm間隔で設置されます。

 

なので雪が溶けてくると金具と金具のスキマから、30~45cmくらいの氷の塊となって落雪してしまいます。

 

先端部分から落ちる

また金具は、屋根の先端には設置ができず、金具より先端の20~60cmくらいは雪止めの効果がありません

よって金具より先端に積もった雪は、落雪することがあります。

 

先端部分の雪も落としたくない場合は、ネットや金網が必要になります。

 

金具の後付けの設置費用は、4,500円~

雪止め金具を後付けで設置する場合、屋根材や設置する金具の種類によって金額が変わります。

    • ● スレート: 4,500円~
    • ● シングル: 4,500円~
    • ● 金属屋根材: 4,500円~
    • ● 瓦: 7,100円~
    • ● 瓦に雪止め瓦を設置: 11,600円~

瓦屋根の場合、金具の固定や雪止め瓦を固定するのに、部分的に瓦を剥がして釘打ちが必要なモノもあるので、その場合は割高になります。

 

 

② 線で止める、雪止め「 アングル( 横棒 ) 」

金具と金具を横棒(= アングル)で連結して、金具と金具のスキマを無くすことで効果が増加します。

 

降った直後はもちろん、雪解け後期の小さな落雪もキャッチできます。

 

アングルは、雪止め金具に設置します

■ 雪止めアングル( 横棒 ) 
雪を線で止める「アングル」1雪を線で止める「アングル」2

 

アングル( 横棒 ) の落雪防止度80~90%

雪止め金具にアングル( 横棒 ) を追加することで、落雪の80~90%は抑えられる感じです。

 

アングル( 横棒 ) の長所「 金具のスキマを埋める 」

雪止め金具の短所である、金具のスキマの弱点を補うのがアングル( 横棒 ) になります。

金具と金具の間を埋めて、溶け始めた雪の落下をより防ぎます。

 

アングル( 横棒 ) の短所「 金具が無いと設置不可 」

雪止めアングル( 横棒 ) の短所は、雪止め金具が無いと設置できないことです。

なので金具が付いていない屋根の場合は、まず金具を設置する必要があるので、金具の設置費用も掛かります。

 

アングル( 横棒 ) があっても落雪する原因

アングル( 横棒 ) をつけていても落雪する主な原因は、

    • ● 高さを超えて落ちる
    • ● 先端部分から落ちる

です。

高さを超えて落ちる

根本的に、雪止め金具やアングル( 横棒 ) の高さを超える量の雪が降れば、落雪してしまいます。

 

これは単純に雪の量もありますが、屋根全体で受けた雪を、軒先の雪止め金具だけで止めようとすると、屋根の大きさによっては金具の高さを超えてしまうということが起こります。

 

この場合は金具と同様に、中段や上段に追加設置し、雪を分散することで落雪の確率を抑えることができます。

■ 雪止めアングル( 横棒 )  追加設置

雪を線で止める「アングル」3

雪を線で止める「アングル」4

 

先端部分から落ちる

アングル( 横棒 ) は金具に設置するので、金具と同じように屋根の先端には設置ができず、金具より先端の20~60cmくらいは雪止めの効果がありません

 

よってアングル( 横棒 ) より先端に積もった雪は、落雪することがあります。

先端部分の雪も落としたくない場合は、ネットや金網が必要になります。

 

アングル( 横棒 ) の後付けの設置費用は、16,500円~

アングル( 横棒 ) を既存の雪止め金具に、後付けで設置する場合、金額は16,500円~となります。

設置する長さや、既存の雪止め金具の形状によって、多少金額が変わります。

 

雪止め金具が設置されていない屋根の場合は、下記の金具の設置費用も追加で掛かります。

    • ● スレート: 4,500円~
    • ● シングル: 4,500円~
    • ● 金属屋根材: 4,500円~
    • ● 瓦: 7,100円~
    • ● 瓦に雪止め瓦を設置: 11,600円~

 

 

③ 面で止める、雪止め「 ネット( 金網 ) 」

屋根の先端部分には、金具もアングルも設置することは基本的にできないため、先端部に積もった雪はどうしても落下してしまいます。

その金具やアングル( 横棒 ) よりも先端部分にも設置できるのが、ネット( 金網 ) です。

 

金具やアングルではどうしても防げない軒先1段目2段目からの落雪もキャッチします。

ソーラーパネルの設置面や、隣地に近接していて少しの雪も落とせない場合に最適です。

 

■ 雪止めネット( 金網 )
雪を面で止める「金網」1雪を面で止める「金網」2

 

雪を面で止める「金網」3雪を面で止める「金網」4

ネット( 金網 ) の落雪防止度95%

屋根の先端に、雪止めネット( 金網 ) を後付けすることで、落雪の95%は抑えられる感じです。

 

ネット( 金網 ) の長所「 先端部分の雪も止める 」

雪止め金具とアングル( 横棒 ) の短所である、金具よりも先端部分の弱点を補うのがネット( 金網 ) になります。

 

またネット( 金網 ) は、雪の高さに対しても落ちにくくする効果もあります。

なので平らなネット型の雪止めでも、一定の効果が期待できます。

 

ネット( 金網 ) の短所「 足場が無いと設置不可 」

ネット( 金網 ) の短所は、足場が無いと設置できないことです。

 

屋根の先端の軒先部分での作業になるので、屋根上からだけだと設置はできません。

なのでネット( 金網 ) を後付けしたい場合は、足場を設置する必要があるので、足場の設置費用も掛かります。

 

設置する屋根面の軒先部分にハシゴを安全に掛けられる場合は、足場が不要なこともあります。

 

またネット( 金網 ) の商品によっては、45cmや90cmなど、一定の長さでできているモノもあるので、屋根の長さに対して融通が利かず、両端部分にスキマができるようにしか設置できない場合もあります。

 

ネット( 金網 ) があっても落雪する原因

ネット( 金網 ) をつけていても落雪する主な原因は、

    • ● 高さを超えて落ちる

です。

高さを超えて落ちる

ネット( 金網 ) は、雪の高さに対しても一定の効果があるのですが、雪の総量が多い時は落雪してしまいます。

 

これは単純に雪の量もありますが、屋根全体で受けた雪を、軒先の雪止め金具だけで止めようとすると、屋根の大きさによっては限界を超えてしまうということが起こります。

 

この場合は他と同様に、中段や上段に金具やアングル( 横棒 ) などの雪止めを追加設置し、雪を分散することで落雪の確率を抑えることができます。

 

ネット( 金網 ) の後付けの設置費用は、15,000円~

ネット( 金網 ) を屋根の先端部分に、後付けで設置する場合、金額は15,000円~となります。

 

ほとんどの場合、足場を設置する必要があり、足場の費用は10~25万円前後になります。

 

 

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創業75年、屋根専門石川商店の三代目。石川弘樹(いしかわひろき)です。
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【継続は力なり】
禁煙2009年〜、ダイエット2010年〜、禁酒2017年1月〜、筋トレ2018年6月〜、禁チョコ爆食い2018年12月〜
【資格】
1級かわらぶき技能士、瓦屋根工事技士、全日本瓦工事業連盟認定 瓦屋根診断士、全日本瓦工事業連盟認定 耐震化講師、耐震プランナー、増改築相談員、古民家鑑定士、ホームインスペクター(住宅診断士)、ジュニアリフォームソムリエ、リフォームスタイリスト1級、リフォーム提案士、ライフスタイルプランナー
【趣味】
ワンピース(マンガ)
【目標】
瓦割り世界大会初代チャンピオン
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筋トレ
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