ラバーロックの原価は14万円。瓦屋根の耐震リフォーム適正価格一覧【屋根の押し売り事例集 第5回】

石川商店の三代目、石川弘樹です。

地震や台風に強い科学的な根拠もないのに、未だに蔓延るラバーロック商法の住宅リフォームの営業マン。

このラバーロック商法に引っ掛かる寸前の住まい手を今回助けることができました!

 

きっかけは弊社のホームページをご覧頂いたこと。そのお客様のご依頼で、

東京都杉並区に屋根の点検調査に伺った際のお話しをご紹介します。

 

ラバーロックって何?

ラバーロック実例2

ラバーロック実例1

 

このように瓦と瓦の接合部を、

シーリングやコーキング剤と呼ばれる接着剤でくっつけることで、

地震や台風に対して強くなり雨漏りも防げて、

しかも誰でも簡単にできる魔法のような工法という触れ込みのようです。

 

しかし実際には、シーリングする場所によっては反対に雨漏りを促進させ、

耐震性や耐風性には、何の根拠も裏付けもない偽りの耐震工法です。

ラバーロックの強度が偽りであることを実験で証明しました。

 

くわしい解説はこちら。

瓦屋根のラバーロックは無意味な工事と証明。地震にも台風にも効果なし【実験動画あり】

 

 

ラバーロックの主なデメリットは?

雨漏りの危険性が高まる
結露が起こりやすくなる
断熱性が悪くなる
部分的な修理ができなくなる
瓦の再利用ができなくなる

正しい瓦屋根の耐震化工事は何なのか?

それは、瓦を再利用する葺き直しや瓦をすべて新調する葺き替えをする際に、

しっかりと耐震ガイドラインに則った工法にするしかありません。

ガイドライン工法は、地震の加速度1G=980ガルを発生させる回転試験に必ず合格しており、

これは最低でも阪神淡路大震災の0.8Gを上回る数字となりますし、耐力限界値はさらに上回り安心です。

特に風化した土葺き工法の瓦屋根などはしっかりとした耐震化が必要です。

もちろん地震だけでなく、台風でも安心の工法です。

とは言え、それにはそれなりの費用が掛かってしまいます。

 

そこに目を付けたのが、ラバーロック商法。

訪問販売をする工務店やリフォーム会社の営業マンが多いようですが、、、

 

瓦屋根のリフォームの時期と相場

瓦屋根のメンテナンス時期と金額(図表グラフ1)

瓦の屋根のリフォームの時期は、

 

築20年前後で「棟の取り直し」の部分修理、

築40年前後で「葺き直し・葺き替え」の全体工事

 

をするのが通常のメンテナンス時期の目安となります。

 

次に屋根工事の金額の相場は、

 

日本瓦の棟の取り直し 1.5万円/m  30万円

日本瓦の葺き直し   1.0万円/㎡ 100万円

日本瓦の葺き替え   2.0万円/㎡ 200万円

が目安となります。この計算は、

建坪が30坪、葺き直し時の瓦の再利用率90%、

寄棟の平均棟長さ20mとした時の目安です。

ちなみに1坪=3.3/㎡です。

 

また、日本瓦の屋根工事は熟練の瓦屋の高度な技術が必要です。

作業日数も30坪くらいで、10日前後は掛かる工事なんです。

ですから、誰でも出来る訳ではなく、工事するのに時間も掛かります。

 

対してラバーロックの相場

弊社では、一度もお見積りを作成したことも工事をしたこともないので、

実は相場も目安も分かりません(汗)。

そこで工事をするという仮定で原材料費から想像してみました。

 

一般的な瓦で約坪50枚、建坪30坪で、1,500枚の瓦が使われています。

ラバーロックを全面フル施工(L字施工)した場合のm数は約750m。

コーキング、シーリングなどの接着剤1本で、3mの施工が出来たとして250本が必要。

この1本あたりの仕入れの原価が400円として10万円。

作業時間は2人で1日あれば楽に終わるはずなので2万円✕2人で、4万円。

すると原価は14万円です。

 

ここに仮の利益率で見積額を計算すると、

50% 28万円

70% 50万円

くらいが妥当でしょうか?

 

そうなると、高くても葺き直しの半額1/2、葺き替えの1/4。

確かにラバーロックが本当に良い工法ならば魅力ではありますが、

屋根の専門家として絶対にオススメできません。

 

ラバーロック商法の実態!

とは言え、なかなか普段気にしない屋根のこと。

今回のお客様も通りすがりの業者に、棟瓦の崩れを指摘されて、

初めて我が家の瓦屋根の現状に気付いたそうです。

 

このように、いつの間にか忘れてしまい、放置されたままの瓦の屋根が多いのが現実です。

そうなると、地震や雪をきっかけに棟の瓦がズレたり崩れたりすることがあります。

 

瓦の屋根の棟の崩れ・ズレ1

(イメージです)

 

そこに運良く(悪く?)通りがかったのが、

ラバーロック商法の住宅リフォームの営業マン。

親切にも、すぐにそのまま修理をしてくれて、

多少の費用で事無きを得たと思ったら、、、

 

始まったのが、ラバーロック工法の売り込み

 

「全面的にところどころズレたり隙間が空いてきているので、

そのうち雨漏りしますよ。でもこの屋根を瓦屋さんで葺き替えたら、

全部で600万円くらい掛かってしまいます!

ウチのラバーロックなら100万円くらいで工事できますよ♪」

お客様からしたらこの時、営業マンが、

ご自宅の瓦屋根の救世主に見えたそうです(汗)。

そしてあっさりと契約することになったそうですが、、、

ふと我に返って、ラバーロックについてインターネットで調べたのが功を奏しました。

 

この屋根に必要な工事は?

これが実際に弊社で現地調査した時の屋根の様子です。

すでに棟瓦もラバーロックされてしまっていました、、、

ラバーロック実例3

 

この屋根のぼくの査定は、棟の取り直し工事だけ。

応急修理は確かにしてありますが、根本的に、

棟を固定している、大回しの銅線は切れ、全体が片側に傾き始めていますし、

日本瓦の屋根の点検・雨漏り調査1

 

面戸の漆喰は剥がれかけ、土もこぼれ始めています。

日本瓦の屋根の漆喰剥がれ1

 

ラバーロック被害は通称「点付け」の軽症のため、

瓦を再利用できるのでまだ良かったです。

 

平部は瓦の重なり部への埃の堆積が始まっていますが、

下地の防水シートもヒビ割れや縮みも無いので、あと20年は雨漏りしないでしょう。

日本瓦の屋根の点検・雨漏り調査2

 

そして確かに部分的に平部の瓦がズレてました。

おそらくこれは、瓦の素人であるラバーロックの業者さんが、

瓦の上の正しい歩き方をしらなかったからか、

もしくはわざとズラしたか、、、のどちらかでしょう。

そのズレはその場で直したのでもう大丈夫です。

 

その他の部分もしっかりと施工されていたので、

施工した当時の瓦屋さんがしっかりとした職人さんだったと感じた屋根でした。

この屋根のぼくの査定は、棟の取り直し工事だけ

仮に葺き替えたとしても600万も掛からないけど、

屋根の他の部分をこのタイミングで工事する必要はありません。

という旨をお客様にお話しして、屋根の点検・調査を終えました。

 

お客様の心境は???

後日実際にお客様に、この業者とのやりとりした心境をお話しいただきました。

 

 

「本日、石川さんと小山さんの説明を伺い、

シッカリ納得できましたし、安心いたしました。

先日の業者が「今ラバーロックすればギリギリ間に合う」と

危機感をあおるようなことを言っていたので、目からウロコでした。」

 

「件の業者は、それはそれは見事なアプローチで侵入し、

巧みな話術を駆使してお客を取り込むという、

今から思えば詐欺の手口に近いものがあるかもしれません。」

 

「今回は、石川商店さんに救っていただきました。

間一髪のところで、貴重な瓦屋根を駄目にしてしまうところでした。

(だけでなく不当な大金を搾り取られるところでした)

本当に感謝いたします。」

 

 

こちらこそ、お役に立てて光栄です。

 

ラバーロックは欠点だらけ

ラバーロック工法は、費用(原価)は安く、作業時間は数時間、しかも誰でもできる、、、

これで確かに瓦の落下は防げるのであれば、合理的な方法かもしれません。

しかし問題は、法外な値段と工事後のデメリット。

 

ましてや、ぼくらのような瓦大好き星人からしたら、

瓦の表面にシーリング(=コーキング=ラバー)が見えてしまうのはタブー。

瓦を知らない素人しか、見えるようにシーリングは打たないものです。

 

瓦を工事するよりも簡単に、売上に繋がる工法をどう使うかはその業者次第。

工務店やリフォーム業者はもちろん、瓦屋でもラバーロックに対する認識は異なります。

実際に全瓦連加盟店でも、残念ながら積極的にオススメしている会社もあるようです。

 

デメリットは承知の上で、どうしてもラバーロックをしてもらいたい場合は、

必ず接着部位と金額を確認することをオススメ致します。

 

後日、しっかりとした棟の耐震化工事をさせて頂きました。

ラバーロックは偽りの耐震化工事。東京都杉並区で和型の釉薬瓦の屋根の棟を取り直し。これが本当の耐震化工事です。

工事の様子はこちらをクリック

 

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弊社への詐欺業者のご相談も、今回の場合とほとんど同じ手口です。

寄せられた相談を元に、こちらの詐欺業者チェックシートを作っています。

詐欺業者チェックシート

ご自宅やご実家のインターホンの横に貼ってお使い戴ければ幸いです

 

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創業75年、屋根専門石川商店の三代目。石川弘樹(いしかわひろき)です。
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【肩書】
日本屋根ドローン協会代表理事、東京都瓦工事職能組合 震災対策委員長
【資格】
1級かわらぶき技能士、瓦屋根工事技士、全日本瓦工事業連盟認定 瓦屋根診断士、全日本瓦工事業連盟認定 耐震化講師、耐震プランナー、増改築相談員、古民家鑑定士、ホームインスペクター(住宅診断士)、ジュニアリフォームソムリエ、リフォームスタイリスト1級、リフォーム提案士、ライフスタイルプランナー
【趣味】
ワンピース(マンガ)
【目標】
瓦割り世界大会初代チャンピオン
【ブーム】
ウェイトトレーニングはじめた
【困り事】
20年前の半分の重さでショック

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