教えて、屋根屋さん!第85回「メンテナンス費用が安くなる屋根」

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屋根にはメンテナンスが必要。
といってもメンテナンス費用はできる限りかけたくないという方が多いでしょう。
そんな方々のために、「メンテナンス費用が安くなる屋根」についてお伝えします。

 

まず屋根の形状が複雑であるほど、メンテナンス費用は上がりやすいです。L字型や、中庭やバルコニーの部分だけ抜けているロの字型の屋根など、特殊な形状の屋根は費用が上がりがち。メンテナンス費用をかけたくないならば、切妻屋根寄棟屋根など、なるべく単純な形状の屋根を選ぶようにしましょう。

 

また屋根の傾斜が急だと、専用の足場が必要になり、メンテナンス費用が高くなってしまいます。屋根の傾斜が急なほど、屋根は長持ちしますが、大きな差ではありません。費用面を考えると、傾斜の緩い屋根を選択した方がいいと思います。

 

天窓(トップライト)や煙突など飾りが付いている屋根も費用が高額になりがちです。特に天窓は、天窓自体のメンテナンスも必要なため、さらに支出が増加します。

 

最後に、長期的なランニングコストという視点で考えれば、屋根材は瓦を選択すべきです。
初期費用がほかの屋根材より高く、二の足を踏んでしまいがちですが、メンテナンス費用を含めて考えると瓦が圧倒的に安いです。

 

瓦自体は、よっぽどのことがない限り、100年以上は使用可能です。屋根材の交換はほぼ必要ありません。

 

例えば、金属の屋根材を採用すると、10年に一度は塗装が必要になります。
塗装には足場も必要です。それだけで、安くても毎回約50万円はかかります。

 

それが、瓦ですと、30年に1度の点検で済みます。

 

60年経てば、使用中の瓦を下ろして、下地を交換する必要はありますが、瓦自体はその後も再利用できます。その後30~60年は、またメンテナンスすることなく、そのまま使えます。

 

瓦以外の屋根材の場合、メンテナンスの回数が多いため、費用がかさみやすいのです。

 

まとめますと

 

1,屋根の形状はできるだけシンプルに
2,勾配は緩やかに
3,飾りだけの煙突などは付けない
4,屋根材は瓦を選択

 

がメンテナンス費用を安く抑える屋根の条件です。

 

また修理する場所によっても、メンテナンス費用は変わります。平(地)と呼ばれる平らな面は比較的修理も簡単ですが、屋根の接合部分や壁際、バルコニーの下の埋もれた箇所などは修理が難しく、費用も若干高くなります。

 

屋根は1度購入すれば終わりと思っている方が多いですが、そうではありません。長く付き合うには、定期的なメンテナンスが必要です。

 

でも、それが家計の大きな負担になると、せっかくの屋根も愛着を感じられなくなってしまいますよね。
そうならないためにも、ぜひ最初の選択を誤らないよう気をつけてください。

 

 

次回は、「日本各地の珍しい・面白い瓦」についてお話しいたします。

 

「教えて、屋根屋さん!」の連載記事の目次はこちら。

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜20141125_profile_01昭和二十六年創業。屋根に関する製造・販売・工事の全てを経験。
屋根専門石川商店の三代目、1級かわらぶき技能士
石川弘樹(いしかわひろき)です。
【趣味】  ワンピース(マンガ)
【目標】  瓦割り世界チャンピオン
【ブーム】 なんだか断りそうだな、、、
【困り事】 寝ても寝ても眠い病
屋根専門石川商店HP:riverstone-roofing.com
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