本記事の目次
【東京都府中市】築19年、無石綿スレートの葺き替えと外壁塗装とベランダ防水工事の事例
屋根で損する人をゼロにしたい、みんなの屋根の相談所、石川弘樹です。
屋根工事の足場ついでの外壁塗装は、今の家に長く住むための維持費用の節約という意味では、足場代が1回で済むので合理的です。
今回は東京都府中市で、築19年の無石綿スレートを石付きの金属屋根材に葺き替えつつ遮熱通気工法で暑さ寒さ対策をし、外壁塗装とベランダ防水を行った、外装リフォームの事例を紹介します。
スレート屋根の葺き替えと外壁塗装とベランダ防水工事は、2週間前後で完了
石川商店での外装リフォームの日程内訳は、屋根の葺き替えで2~3日、外壁工事で7~10日、作業用の足場の設置解体が前後1日づつです。
工事の流れは、こんな感じです。
- 外装リフォーム工事の流れ
- 手順① 足場の設置 【1日】
- 手順② 屋根の葺き替え 【2〜3日】
- 手順③ 外壁工事 【7〜10日】
- 手順④ 足場の解体 【1日】
- 手順⑤ 工事完了 【2週間前後】
順番に工事の様子を、写真つきで解説します。
手順① 足場の設置 【1日】
外装リフォームの工事の安全と品質を左右するのが、作業用の足場です。
■ 足場設置
安心、安全の環境があってこそ、職人もしっかりとした工事が可能です。
工事の品質を担保するためにも、足場は必須です。
スレート屋根の遮熱通気工法での葺き替え工事は、3日で完了
石川商店での、スレート屋根の葺き替え工事は、5〜8人くらいで1日と、残りを1~2人でもう1~2日で工事を完了します。
工事の流れは、こんな感じです。
- スレート屋根の遮熱通気工法での葺き替え工事の流れ
- 手順① スレート屋根材の撤去 【120〜180分】
- 手順② 遮熱シート貼り 【60〜90分】
- 手順③ 通気部材の設置 【60〜90分】
- 手順④ 新規屋根下地の設置 【60〜90分】
- 手順⑤ 防水板金の設置、防水シート貼り、屋根材の荷揚げ 【60〜90分】
- 手順⑥ 新しい屋根材の設置、工事完了 【180〜480分】
順番に工事の様子を、写真つきで解説します。
手順⓪ 工事前の状況
こちらが、工事前のアスベストが使われていない、無石綿スレートの状態です。
■ 全景
ひび割れの接着補修や、差し替えを他社で行っている屋根の点検を、以前に弊社で行いました。
その点検から2年半後に、再点検でお伺いしたところ、屋根材の新たなひび割れや滑落、
■屋根材割れ滑落
クッキーみたいにポロポロになってしまう風化現象が、新たに発生していました。
■風化
応急処置でも大丈夫かもしれませんが、災害予防や外壁塗装の時期との兼ね合いで、今回、一挙に屋根の葺き替えと外壁塗装を行うことになりました。
以前の点検の詳細は、こちらの記事で確認できます。
■ 【東京都府中市】築19年、スレート屋根のひび割れメンテナンスと、外壁塗装の検討での点検の事例 | 石川商店
手順① スレート屋根材の撤去 【120〜180分】
まずは、もともとの屋根材を撤去します。
■屋根材の撤去
屋根材を撤去したら、既存の屋根下地の状態確認を行います。
■屋根下地確認
屋根下地が万が一、雨漏りや結露で傷んでいた場合は、その部分の屋根下地は交換します。
※ 今回は、問題ありませんでした。
手順② 遮熱シート貼り 【60〜90分】
つづいて遮熱通気工法の「 遮熱 」の部分、太陽からの輻射熱を97%カットしてくれるアルミの遮熱シートを全面に貼っていきます。
■ アルミ遮熱シート
遮熱シートと遮熱シートの隙間には、アルミテープを貼り、遮熱性を高めます。
手順③ 通気部材の設置 【60〜90分】
つづいて遮熱通気工法の「 通気工法 」の部分、通気部材を設置し、熱を保つ屋根材と屋根下地の間に通気層をつくります。
屋根の傾斜の先端、軒先側には給気口として通気する部材を設置します。
これは、虫と雨水の侵入防止も兼ねている通気部材となります。
■ 軒先通気部材
そして屋根全体に、通気層下地木材を設置します。
これは、新しい屋根下地の骨組みを兼ねています。
■ スペーサー木材
手順④ 新規屋根下地の設置 【60〜90分】
手順③で設置した、通気層下地木材の上に、新しい屋根下地として構造用合板( 野地板 ) を貼っていきます。
■ 新しい屋根下地
これで、
既存の屋根下地
↓
アルミシート
↓
通気層
↓
新しい屋根下地
となり、遮熱通気工法は、ほぼ完成です。
屋根材や太陽からの輻射熱の影響は、限りなくゼロに近づきましたが、あわせて熱対策、結露対策として重要なのが屋根裏の換気です。
既存の屋根裏の換気だけでは換気量が少ないので、棟部分のすべてを開口して換気量を最大化してあげます。
■ 屋根裏換気用の穴
手順⑤ 防水板金の設置、防水シート貼り、屋根材の荷揚げ 【60〜90分】
新しい屋根下地の上に、ルーフィングという防水シートを貼れば、屋根の防水は完了です。
■ 防水シート貼り
あとは水切板金 (みずきりばんきん) という、雨が屋根の下地や壁側に回らないようにするために、屋根材を設置する前につける必要のある、金属の板を設置します。
■軒先水切り
そして、新しい屋根材を屋根の上にあげる「 荷揚げ (にあげ) 」作業をはじめます。
■ 荷揚げ
防水シートを屋根全面に貼り終えると、ぼくらも一安心です。
ここまでくれば、まず雨漏りすることはありません。
手順⑥ 新しい屋根材の設置、工事完了 【120〜480分】
今回使用している屋根材は、ガルバリウム鋼板の表面に、天然石のチップが付着している石付きの金属屋根材の「 ディプロⅡ 」という屋根材で施工しています。
■ 石付きの金属屋根材の「 ディプロⅡ 」
色は「 オニキス 」という黒っぽい色です。
ディプロⅡの詳しい施工については、次章でまとめて行います。
石川商店の屋根は、安心安全、メンテナンス費用節約、快適 【手順⑥詳細】
石川商店の屋根の標準仕様を、解説しながら、手順⑥の、新しい屋根材の設置を、くわしく解説していきます。
- 石川商店の屋根は、安心安全、メンテナンス費用節約重視、快適
- 防水シートは、高品質高耐久で、防水性向上
- 屋根材の固定ビスをシールして、雨漏り防止
- 雪止め金具の全階全面設置で、安心安全
- 下地木材を極力使わず、メンテナンス費節約
- 屋根材の見た目が長持ちするモノで、塗装費節約
- 屋根裏換気の設置で、結露対策
防水シートは、高品質高耐久で、防水性向上
すべての屋根の防水の耐久性は、おおかた防水シートの保ちによります。
なので石川商店では、田島ルーフィング株式会社の「 ニューライナールーフィング 」を使用します。
これは、超大手の注文住宅が使用している防水シートで、それを標準仕様にしています。
■ 防水シートは、高品質高耐久
屋根材の固定ビスをシールして、雨漏り防止
■本体固定ビスシール
雪止め金具の全階全面設置で、安心安全
大雪の影響で、雨どいが壊れたり、落雪でカーポートやクルマを壊したり、ご隣のお家や道路への落雪によるトラブル防止で、雪止め金具を全開全面に設置します。
石付きの金属屋根材のディプロⅡは、雪止め金具を設置しなくても落雪しにくい屋根材としても有名です。
それでも念には念を入れて、雪止め金具も設置します。
■ 雪止め金具の全階全面設置
下地木材を極力使わず、メンテナンス費節約
石川商店では、そもそも棟の下地木材が不要になる板金を、使用します。
■ 下地木材が、不要の棟
棟板金 (むねばんきん) という屋根のてっぺんのフタを、固定するために使う下地木材の劣化が原因で、棟板金を固定する釘が浮いたり、強風で棟板金がはがれることが多々あります。
なので、木材を使用しなければ、劣化することはなく、メンテナンス費も節約できるのです。
例えば、こういう30坪の単純な屋根のカタチの家があったとします。
■屋根を真上から見た図 屋根伏図 (やねふせず)
この屋根で、棟板金を使用するのは、
この部分で、
全部の長さを足すと、2+ 6.55X 4= 28.2m になります。
棟交換の金額は、1mあたり約1万円なので、メンテナンス費は28.2万円です。
それに対して石川商店の仕様では、棟板金は、
この部分の、2m だけになり、メンテナンス費は2万円と、26万円も節約できます。
最近では、樹脂製の下地材が腐らないから、と高耐久仕様として使われる場合も多いです。
ただ樹脂製のモノは製品強度がピンキリだし、熱による収縮が大きいため、すぐに硬化して、割れたり折れたりしてしまう弱いモノもあります。
■【参考】 使用後7年での、樹脂製下地の弱さが分かる動画
動画の最後に、この職人が、
「 たぶん、指1本で折れるとおもう 」
と、つぶやいてます。
なので石川商店では、そもそも棟の下地木材が不要になる板金を使用しつつ、どうしてもの場合は防腐処理済み木材を使用します。
また木材を使う部分の棟板金は、ビスで固定したり、接続部をコーキングで補強をして、強度を上げています。
■棟ビス固定
■棟接続部接着剤併用
屋根材の見た目が長持ちするモノで、塗装費節約
屋根材は、雨漏り防止としての塗装はそもそも不要ですが、見た目のよくするために塗装したくなる場合も多いでしょう。
なので石川商店では、見た目が悪くなりにくい屋根材を、標準仕様にしています。
■ ディプロⅡ
屋根裏換気の設置で、結露対策
結露で、湿気が高くジメジメするのは不快ですし、結露による木材の劣化は安心安全にも害なので、屋根裏の結露対策は重要です。
野地板 (のじいた) に換気用の穴をあけ、屋根裏と外気との換気口をあけて、
■ 屋根裏換気口の開口
防水処置をしたら、棟換気 (むねかんき) というモノを、棟部分に設置します。
■棟換気 換気部材
この棟換気の上から、棟板金を固定して、棟換気の設置は完了です。
■棟換気 完了
手順③ 外壁工事 【7〜10日】
外壁工事を、順番に解説します。
今回の外壁塗装は、16~20年の耐久性能のあるフッ素系の遮熱塗料を使用しました。
外壁洗浄
まずは外壁全体を、洗浄していきます。
■ 外壁洗浄 高圧洗浄
洗浄をする日は、窓は完全に締め切り、電動のシャッター式の雨戸は閉めておきましょう。
また築年数が古かったり、メンテナンスを長期間行っていない場合は、換気扇や窓の付近から洗浄時に水が入ることがあります。
大切なモノや濡れたら壊れてしまうものは、なるべく遠ざけておくのが無難です。
クラック( ひび割れ ) 補修、防水シール打ち
外壁塗装をする前に、モルタル外壁のクラック( ひび割れ ) を、補修します。
■ クラック( ひび割れ ) 補修
また防水の強化として、窓まわり、換気フードまわりに防水シールを施工します。
■ 防水シール 窓まわり
■ 防水シール 換気フード
外壁下塗り
外壁塗装は3度塗りが基本となっていますが、その1度目にあたるのが下塗りです。
いきなり塗料をぬるのではなく、シーラーやプライマーなどと言われる塗料の接着強化剤兼、下地調整材を塗っていきます。
今回塗っているのは、シーラーやプライマーと比べて粘度が高く、厚みを付けやすいモノです。
また乾燥後は柔らかい塗膜(微弾性)になるため、建物の動きやヘアークラックへの追従が期待できます。
■ 外壁下塗り
外壁中塗り
下塗りが乾いたら2度目の塗装として、フッ素塗料の1度目をぬります。
■ 外壁中塗り
外壁上塗り
中塗りが乾いたら3度目の塗装として、フッ素塗料の2度目をぬります。
■ 外壁上塗り
付帯部塗装
外壁以外の部分も、塗装します。
各所、素地調整としてケレンを行います。
鉄部塗装
鉄部は、錆止めを塗り、塗装します。
■ 錆止め 笠木部
■ 錆止め 土台水切り
■ 錆止め 庇、霧除け
■ 錆止め 雨戸
錆止めを塗ったら、塗装します。
■ 鉄部塗装 庇、霧除け
■ 鉄部塗装 笠木
■ 鉄部塗装 雨戸
軒天
軒天は、屋根の裏側や、ベランダの裏側や駐車場の天井部分です。
■ 軒天塗装
破風( はふ ) 塗装
屋根と外壁の境目部分を、破風( はふ ) と呼びます。
事前に目地のシールの打ち替えを行ってから、塗装します。
■ 破風塗装
雨どい塗装
雨どいは築15年前後であれば、塗装します。
築30年前後であれば強度が心配なので、交換がおすすめです。
今回は、割れていた部分だけ部分交換して、塗装しました。
■ 雨どい塗装
その他塗装
その他、玄関街灯なども合わせて塗装しました。
■ 玄関門扉
■ 目隠し格子
ベランダ防水工事
ベランダも外壁洗浄といっしょに、事前に洗浄しておきます。
■ ベランダ洗浄
今回ベランダはFRP防水の状態がいいので、トップコートを塗って、メンテナンスをします。
■ベランダ下処理
■ベランダトップコート
手順④ 足場の解体 【1日】
すべての作業が完了したら、足場を解体します。
■ 足場の解体
手順⑤ 工事完了 【2週間前後】
足場を解体したら、工事完了です。
■ 工事後 全景
スレート屋根の遮熱通気工法での葺き替え工事の金額は、200万円前後
スレート屋根の遮熱通気工法での葺き替え工事の金額は、1㎡あたり約2万円くらいです。
建坪30坪であれば1件あたり、200万円前後くらいになることが多いです。
メンテナンス方法 | ||
---|---|---|
瓦のカタチ | 築15年 | 築30年 |
J型 | 棟、谷の取り直し 【30万円】 | 葺き直し【150万円】 葺き替え【250万円】 |
S型 | 棟、谷の取り直し 【22万円】 | 葺き直し【130万円】 葺き替え【230万円】 |
M、F型 | 棟、けらば、谷の取り直し 【36万円】 | 葺き直し【110万円】 葺き替え【190万円】 |
【参考】 スレート屋根の台風対策とメンテナンス方法、外壁工事の費用相場
スレート屋根の台風対策やメンテナンス、外壁塗装やベランダ防水工事は、石川商店におまかせくださいませ。
スレート屋根の台風対策や、メンテナンス方法は、こちらの記事が参考になるかと思います。
■ スレート屋根の「 災害予防パック 」89,800円~で安心メンテナンス、はじめました | 石川商店
■ 外壁塗装の見積書の確認の仕方!相場費用と注意点を紹介 | 石川商店
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- 【資格】
- 1級かわらぶき技能士、瓦屋根工事技士、全日本瓦工事業連盟認定 瓦屋根診断士、全日本瓦工事業連盟認定 耐震化講師、耐震プランナー、増改築相談員、古民家鑑定士、ホームインスペクター(住宅診断士)、ジュニアリフォームソムリエ、リフォームスタイリスト1級、リフォーム提案士、ライフスタイルプランナー
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