本記事の目次
【神奈川県鎌倉市】築15年のスレート屋根、棟板金を業者に指摘された不安解消で屋根点検の事例
屋根で損する人をゼロにしたい、みんなの屋根の相談所、石川弘樹です。
神奈川県鎌倉市で、棟板金を業者に指摘された不安解消で屋根点検の事例をご紹介します。
飛び込み業者さんによる、棟板金の指摘、よくありますね。
その指摘事項が妥当かどうかを確認したい、というお客さまのお話です。
今回の屋根点検のポイントは「棟が風でパカパカしている」は、本当か?
今回の屋根点検のポイントは「 棟が風でパカパカしている 」かどうか、どのような修理をしたのかです。
またこの屋根は、アスベスト未使用のスレート屋根材なので、ひび割れが全体のどれくらいの割合であるか、ボソボソに風化しているモノが何枚くらいあるのかを確認なども合わせて確認します。
点検の結果、棟は風でパカパカな状態ではなく、緊急性はなし
先に点検の結果をお伝えすると、棟は風でパカパカするような状態ではありませんでした。
また、特に修理したような形跡もないような感じでした。
この棟は「 片棟( かたむね ) 」という、1方向にしか屋根面がない形状の屋根のてっぺんのフタの形状で、金属の片側が垂れ下がった状態に、元々なっているモノです。
この垂れ下がったところが風でパカパカするということだったのかもしれませんが、手で触ればもちろん、多少はパカパカしますが風でなるほどではなさそうでした。
■ 片棟部分の強度確認動画
あわせて屋根全体の確認をしたところ、ひび割れは1枚だけで、風化は0枚でした。
よって、アスベストを使用していないスレート屋根材としては、かなり良い状態であると判断しました。
なので今すぐに工事が必要な状態ではありませんので、まずはご安心くださいませ。
あとは築30~40年時点での大規模なメンテナンスまでに、災害予防としてどこまで安心を見るかで、メンテナンスをどこまでやるかを、あと何年住むのかなどを考慮して検討するのが良いかと思います。
まだまだ長く住んでいく、ということだったので今回は、
- ● 棟の釘の増し打ち、もしくは棟交換
● ひび割れの接着補修と、屋根材1枚1枚の補強接着
- ● 棟の釘の増し打ち、もしくは棟交換
の組み合わせで、2つのメンテナンス修理を提案し、それぞれの見積りを作成しました。
【補足】ひび割れについて
新築が2004年前後、築15~20年以降の家では、アスベストが入っていなスレート屋根材が使われていることがほとんどです。
これらの無石綿のスレート屋根材は、新築時の踏み割れで、それなりにひび割れが入ってきている状態です。
とはいえ、このせいで雨漏りするということではありません。
ただ、ひび割れが進行して完全に分離すると、割れた屋根材が落下したり、強風で飛散するという意味では、心配な要素ではあります。
もっとも、ひび割れが全体の5%前後くらいであれば、ひび割れしている屋根材に、接着剤を注入する応急処置でも十分だと判断しています。
【補足】風化 (ふうか) について
スレート屋根材が、はじっこからボソボソと「 クッキー 」みたいに、くずれてしまう症状を風化と呼んでいます。
これは2、3枚あるかないかくらいが、平均的な状態です。
では実際に、屋根の状態を確認していきましょう。
実際のスレート屋根の状況は?
今回の、アスベスト未使用のスレート屋根の、屋根点検の流れはこんな感じです。
- アスベスト未使用のスレート屋根の屋根点検の流れ
- 手順① ドローンで、屋根の撮影 【5〜10分】
- 手順② 屋根にあがっての、点検調査 【15〜30分】
- 手順③ 屋根裏の確認 【10〜20分】
- 手順④ 撮影写真による、口頭での屋根の説明 、質疑応答【30〜60分】
- 手順⑤ 点検完了 【合計1〜2時間】
- 手順⑥ 後日、撮影写真と点検報告の送付 【当日〜1週間程度】
順番に屋根の点検の様子を、写真つきで解説します。
手順① ドローンで、屋根の撮影 【5〜10分】
石川商店では、屋根にあがる前に、ドローンで屋根を撮影します。
ぼくらが屋根に上がる前の状態を、写真で保存するためです。
これは、屋根にあがって自分たちで壊すような悪徳業者ではないという証明のためと、ぼくらも注意してても屋根材を踏んで割ってしまうことがあるのと、正直、それを隠してやり過ごしたくなる気持ちを抑えるため、でもあります。
また、屋根全体が1枚の写真におさまるため、お客さまに屋根の状況説明をするときに、どの部分がどうなっているという解説がお互いにわかりやすくなるのも、もうひとつの理由です。
ということで、ドローンで撮影した写真を確認していきます。
数年~10年くらい前に、竜巻で屋根材の一部が吹き飛んでしまったため、その時に半分ほど修理したとのことでした。
苔が生えているところと、そうでないところで、新旧の境目がはっきりとしています。
■ 全景
■ 東面
■ 西面
つづいて、指摘のあった棟部分です。
パッと見た感じでは、まったく問題なさそうです。
■ 棟
つづいて屋根にあがった後の写真で、詳しく見ていきましょう。
手順② 屋根にあがっての、点検調査 【15〜30分】
つづいて実際にハシゴをかけて、屋根に上がります。
アスベスト未使用のスレート屋根材
屋根材は、どちらもアスベスト未使用のスレート屋根材で、修理前が「 コロニアルネオ 」で、修理後が「 コロニアルクアッド 」という商品です。
■ 修理前 コロニアルネオ
■ 修理後 コロニアルクアッド
ひび割れ
ひび割れは、1枚だけ確認できました。
全体の5%前後くらいのひび割れが許容範囲内ですので、アスベストを使用していないスレート屋根材の中では、とても良い状態だと言えるでしょう。
■ ひび割れ
風化
風化は、1枚もなかったです。
棟
飛び込み業者さんが言うほどに、心配な状態ではありません。
多少の釘の浮きはあるものの、まだしっかりと固定されています。
■ 棟
ただ裏側は、垂れ下がっているだけのタイプの片棟板金なので、両側固定式に比べると、風に弱いのは事実ではあります。
ただ直接さわった感触としては、風でパカパカするほどではないので、すぐの工事は不要かと思われます。
ケラバ
ケラバ板金の軒先部分が、ねじれ上がっていました。
その横にある釘が効いていないのが原因でした。
■ケラバ
また本来は、この横からの固定釘を40cm感覚くらいで打っていくのですが、上下の重なり部分にしか釘打ちがない状態でした。
おそらく屋根面側で固定されているのと、屋根材が上に載っかっているので、側面の釘打ちが無いからと言って、すぐに風で飛んでしまうということではないはずです。
なので災害予防としては、棟とケラバの釘の増し打ちや、両側固定式の棟への交換も検討してもいい状態ではあります。
手順③ 屋根裏の確認 【10〜20分】
屋根裏の状態も、必要に応じて確認します。
リフォームで屋根裏部屋になっており、断熱材が屋根面に敷き詰められていました。
断熱材が垂木下側に固定されているので、おそらく結露などの心配も無さそうな状態でした。
手順④ 撮影写真による、口頭での屋根の説明 、質疑応答【30〜60分】
ドローンで撮影した写真や、屋根にあがってから撮影した写真などを、ご覧いただきながら、屋根の状況説明をいたします。
■ 口頭での説明のイメージ
わからないことや疑問があれば、ご納得いくまで、ご質問くださいませ。
手順⑤ 点検完了 【合計1〜2時間】
以上で、屋根点検の当日はおしまいです。
点検料は、後日の点検報告と、写真のお渡し時に、請求書をお付けすることになるので後払いです。
点検当日に、現金をご準備する必要はございません。
手順⑥ 後日、撮影写真と点検報告の送付 【当日〜1週間程度】
早ければ当日、遅くても1週間前後で、撮影した写真データと点検報告を、インターネット上での共有や、郵送、メールなどで、お送りします。
また点検の結果、修理が必要であれば、その修理の見積書もあわせてお送りいたします。
【参考】 無石綿スレートのメンテナンスに最適「 災害予防パック 」の内容と価格
無石綿スレート屋根材のメンテナンスの内容と価格の詳細は、こちらの記事で確認できます。
■ 屋根の「 災害予防パック 」スレート屋根は49,800円で安心メンテナンス。 | 石川商店
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- 創業75年、屋根専門石川商店の三代目。石川弘樹(いしかわひろき)です。
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- 禁煙2009年〜、ダイエット2010年〜、禁酒2017年1月〜、筋トレ2018年6月〜、禁チョコ爆食い2018年12月〜
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屋根で損する人をゼロにしたい、屋根屋の三代目です。
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