本記事の目次
【東京都荒川区】築15年、ニチハ「 パミール 」の屋根の点検事例
屋根で損する人をゼロにしたい、みんなの屋根の相談所、石川弘樹です。
東京都荒川区で、ニチハ「 パミール 」の屋根の点検事例を紹介します。
屋根裏の雨漏りをきっかけに、見積もりを取っているうちに、弊社のホームページにたどりつき、まずはちゃんと雨漏りの調査をしてもらおうと思い直しインスペクションをしたら、屋根がパミールだと分かったということで、弊社に屋根の調査を依頼されたお客さまの事例を紹介します。
点検の結果、屋根裏は雨漏りではなく結露、パミールを撤去する葺き替えを提案
先に点検の結果をお伝えすると、屋根裏の雨漏りは雨漏りではなく、パミールの固定釘からの結露水が、屋根裏に無数の雨染みを作っていました。
パミールの不具合症状の原因は、パミールが引き起こす結露です。
その結露で、パミールを屋根に固定している釘がサビます。
そうすると強風への抵抗力が弱くなってしまうので、災害予防としてはどこかで、パミールを撤去してあげたいところです。
もちろんカバーでも、それなりに安心ではありますが、結露するモノを木材の上に載せっぱなしにするのもあまりよくないので、パミールを撤去する葺き替えが理想的にはなります。
とはいえ大手ハウスメーカーなども含め、8~9割のパミールは、カバー工法されているのが現実ではあります。
ここはまだ、正解のない問題です。
判断は難しいかもしれませんが、まだまだ長く住むということであれば、屋根下地の木材の劣化状況を見るかぎり、現時点で葺き替えを行いパミールを撤去し、屋根下地の木材の補強を行うのが最善だと思います。
葺き替えで新しくする屋根材は、スレート屋根材はおすすめしません。
パミールのような結露はなくても、アスベストを使用していないスレート屋根材は強度不足で、新築後15年前後でのひび割れなどの劣化が散見されているからです。
スレートの上位互換になるアスファルトシングル系の「 オークリッジスーパー 」。
もしくは、ガルバリウム鋼鈑の最上位品質の「 スーパーガルテクト 」です。
今回は、それぞれの屋根材での葺き替え + 屋根下地の補強での見積もりを作成しました。
【補足】ニチハのパミール対応について
パミールのメーカーであるニチハは、2021年4月以前までは、釘が1本でもサビていたら屋根材を支給するくらいの対応をしていました。
ところが現在は「 屋根材のズレ落ちがない限りは対応しない 」という方針に、変わってしまいました。
なので自腹で、パミールに対処する必要があります。
とはいえパミールだからといって、すぐに雨漏りしたり、すぐに被災するわけではありません。
いったん落ち着いて考える時間は、十分にあります。
では実際に、屋根の状態を確認していきましょう。
実際のパミールの屋根の状況は?
今回の、パミールの屋根の、屋根点検の流れはこんな感じです。
- アスベスト未使用のスレート屋根の屋根点検の流れ
- 手順① ドローンで、屋根の撮影 【5〜10分】
- 手順② 屋根にあがっての、点検調査 【15〜30分】
- 手順③ 屋根裏の確認 【10〜20分】
- 手順④ 撮影写真による、口頭での屋根の説明 、質疑応答【30〜60分】
- 手順⑤ 点検完了 【合計1〜2時間】
- 手順⑥ 後日、撮影写真と点検報告の送付 【当日〜1週間程度】
順番に屋根の点検の様子を、写真つきで解説します。
手順① ドローンで、屋根の撮影 【5〜10分】
石川商店では、屋根にあがる前に、ドローンで屋根を撮影します。
ぼくらが屋根に上がる前の状態を、写真で保存するためです。
これは、屋根にあがって自分たちで壊すような悪徳業者ではないという証明のためと、ぼくらも注意してても屋根材を踏んで割ってしまうことがあるのと、正直、それを隠してやり過ごしたくなる気持ちを抑えるため、でもあります。
また、屋根全体が1枚の写真におさまるため、お客さまに屋根の状況説明をするときに、どの部分がどうなっているという解説がお互いにわかりやすくなるのも、もうひとつの理由です。
ということでドローンを飛ばしてみると、パミールの症状らしきモノが、つぶさに見て取れます。
ですが雨漏りに直結しそうな不具合は、無さそうではあります。
■ ドローン全景
■ドローン東面
■ ドローン南面
■ ドローン西面
■ ドローン北面
つづいて屋根にあがった後の写真で、詳しく見ていきましょう。
手順② 屋根にあがっての、点検調査 【15〜30分】
つづいて実際にハシゴをかけて、屋根に上がります。
屋根材:ニチハの「 パミール 」
インスペクションの結果どおり、屋根材はニチハの「 パミール 」で間違いありません。
パミール特有の、屋根材がミルフィーユのようにはがれる、層間剥離が起こっています。
■パミールの状況
棟
棟板金自体の浮きは、ほとんど見られませんが、棟板金の固定釘の浮きは、すこし多めでした。
■ 棟
ただ、すぐに飛んでしまうほどの板金のゆるみは、ありませんでした。
とはいえ災害予防としては、棟の釘の増し打ちや、棟交換も検討してもいい状態ではあります。
やはり雨漏りに直結するような状態では無さそうなので、屋根裏の状態確認を細かく行います。
手順③ 屋根裏の確認 【10〜20分】
屋根裏を見てみると、屋根下地に貼りついた謎の発泡スチロールにまずは驚きましたが、しばらくして謎が解けました。
お客さまが屋根裏にモノを収納してあり、そのモノが汚れたのがきっかけで雨漏りに気づき、汚れ対策に釘に発泡スチロールを刺して固定し、水垂れを防ごうとしていたようです。
ただ今度は、発泡スチロールの下側から、まとめて水垂れが起こってしまっていました。
これは雨漏りではなく、パミール固定釘からの結露水です。
固定釘周辺の屋根下地が、腐食し黒ずんでいるのがわかります。
■ パミール固定釘周辺 屋根下地の黒ずみ
このくらいにまでになる黒ずみは通常は、築30~40年以上経過した、スレート屋根の屋根下地で見られる現象で、その原因は、表側の防水シートの劣化によるモノなので雨漏りになります。
ただこちらは築15年なので、この時点で防水シートがここまで劣化することは考えにくいです。
またあわせて屋根裏の結露防止のための「 棟換気 」が屋根側に設置されてはいるのですが、屋根裏から見ると、その換気穴が開口されていない可能性が高そうでした。
■ 棟換気の裏側、開口なし?
なので、パミールの結露と棟換気不具合の悪い相乗効果で、屋根裏結露が起こり、屋根下地がかなり傷んでしまっていると思われます。
今回の工事では、屋根下地を増し貼りして補強しつつ、大容量の換気を使用し、且つ棟全部に設置することで、結露の抑制をします。
手順④ 撮影写真による、口頭での屋根の説明 、質疑応答【30〜60分】
ドローンで撮影した写真や、屋根にあがってから撮影した写真などを、ご覧いただきながら、屋根の状況説明をいたします。
■ 口頭での説明のイメージ
わからないことや疑問があれば、ご納得いくまで、ご質問くださいませ。
手順⑤ 点検完了 【合計1〜2時間】
以上で、屋根点検の当日はおしまいです。
点検料は、後日の点検報告と、写真のお渡し時に、請求書をお付けすることになるので後払いです。
点検当日に、現金をご準備する必要はございません。
手順⑥ 後日、撮影写真と点検報告の送付 【当日〜1週間程度】
早ければ当日、遅くても1週間前後で、撮影した写真データと点検報告を、インターネット上での共有や、郵送、メールなどで、お送りします。
また点検の結果、修理が必要であれば、その修理の見積書もあわせてお送りいたします。
【参考】 ニチハ「 パミール 」は、塗装もカバーもNG
結露するパミールは、撤去する葺き替えが理想的です。
■ ニチハ「 パミール 」 カバー工法も、塗装もNG。結露するから撤去しよう | 石川商店
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- 創業75年、屋根専門石川商店の三代目。石川弘樹(いしかわひろき)です。
- 【継続は力なり】
- 禁煙2009年〜、ダイエット2010年〜、禁酒2017年1月〜、筋トレ2018年6月〜、禁チョコ爆食い2018年12月〜
- 【資格】
- 1級かわらぶき技能士、瓦屋根工事技士、全日本瓦工事業連盟認定 瓦屋根診断士、全日本瓦工事業連盟認定 耐震化講師、耐震プランナー、増改築相談員、古民家鑑定士、ホームインスペクター(住宅診断士)、ジュニアリフォームソムリエ、リフォームスタイリスト1級、リフォーム提案士、ライフスタイルプランナー
- 【趣味】
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屋根で損する人をゼロにしたい、屋根屋の三代目です。
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