ガルバリウム、板金屋根の台風対策。予防のための補修や工事方法と費用

石川 弘樹
石川 弘樹
  • ぼくは「 被害に合わないこと 」 が、いちばん平和だとおもいます。

     

    火災保険で直せばたしかにタダだけど、修理するまでには半年〜1年待ちで、待っている間ずっと、わが家の雨漏りの心配をしつづけるのは、精神的につらいですからね。

     

    今回は「 ガルバリウムなど、板金 」 の屋根の台風対策のお話しです。

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この記事はこんな人におすすめ

●ちょうど火災保険を見直そうと、おもっていた方

●「そもそも被害に合わない方法はないの?」  とおもっている方

●「ウチは、10年に1回塗装しているから大丈夫」 とおもっている方

●「火災保険ならタダだけど、予防は自腹だし、ホントに意味あるの?」 とおもっている方

この記事で伝えたいこと

 

●ガルバリウム、板金屋根の、台風被害の事例と原因

●ガルバリウム、板金屋根の、災害対策工事の方法と費用

 

この記事の動画はこちら。

 

ガルバリウムとは?

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ガルバリウムって何?と言われたら、フライパンの様な物だと思ってもらえればわかりやすいと思います。
フライパンにも色々な種類の鉄や、焦げ付き防止の為にテフロン加工されたものなどがありますよね?

 

ガルバリウムはフライパンで言うところの、テフロン加工と同じなのです。

フライパンと同じように、鉄のサビ防止の為にガルバリウムで表面加工をしているのです。

ガルバリウム屋根は夏にはとても高音になるので、屋根の上で本当に目玉焼きが作れるところも、フライパン感があります。

ガルバリウムと聞くと、聞き慣れないので何だかよく分からない・・・となりますが、フライパンだと言われると簡単に理解できそうな気がしてきませんか?

金属を保護する表面加工の一種が「 ガルバリウム 」

フライパンの素材は、鉄、や銅などといろいろありますよね?
さらに、焦げつき防止や、汚れの落ちやすさを維持するために、テフロン加工とかされているものも、ありますよね。

たいして、ガルバリウムの素材は「 鉄 」です。鉄だけだと雨でサビてしまうので、フライパンと同じように表面加工をしているものもあります。そのひとつが、ガルバリウム鋼板です。

ガルバリウム鋼板をフライパン風にいうと「 鉄にテフロン加工したもの 」となります。

厳密には、鉄というより鋼を板状に加工したものを鋼板(こうはん)と言い、その鋼板にガルバリウムでメッキ処理した物になります。

 

ようするに、ガルバリウム鋼板をフライパン風にいうと「 鉄にテフロン加工したもの 」で、ふつうのフライパンより長持ちしそうだなと理解してもらえれば、ここまでは十分です。

 

▽▼▽ガルバリウムの価格や注意点はコチラ▽▼▽

ガルバリウム屋根のメリット

ガルバリウム屋根は、耐震性や耐久性、価格の総合的にバランスの優れた素材です。
ガルバリウム屋根の耐久性は25年から30年ほどです。そして、とても軽量の為建物への負担も少なく耐震性にも優れています。

ガルバリウム屋根は軽量のため作業性にも優れているので、短時間で張り替える事ができるので補修などの作業も他の屋根材に比べて簡単なので工期が短くて済むのも特徴です。

ガルバリウム屋根のデメリット

ガルバリウム屋根は金属製の為、周囲の影響を受けやすい素材でもあります。

沿岸部での潮風や、工場付近の排気ガスなどの成分の影響で電食を引き起こしサビが発生することがあります。

ガルバリウム単体だと雨音が気になったりと遮音性の面では他の屋根材に劣りますが、断熱材一体型を選ぶ事で遮音性は問題ないでしょう。

また、ガルバリウム屋根は割れにくい分凹みには弱いのでその点も注意が必要です。

ガルバリウム、板金屋根の台風対策。予防のための補修や工事方法と費用

「台風被害にあう前に予防できたらいいけど、自腹で費用をかけてまで予防する必要って本当にあるの?」

という声が聞こえてきそうなので、まずはトタンやガルバリウムなどの「 板金屋根 ばんきんやね」の台風被害の事例をご紹介します。

ちなみに、記事内では「 金属 」 と言ったり、「 板金 」と言ったりしていますが、同じものです。

台風によるガルバリウム、板金屋根の被害事例と原因

一般的な屋根では、屋根の中央部分がうける風の力を「 1 」 とすると、

軒先「 2 」 (のきさき):屋根の先っぽ
けらば「 2.5 」:屋根の横はじ
棟「 5 」(むね):屋根のてっぺん

と言われています。

風の影響力

トタンやガルバリウムなどの金属屋根の、台風後の石川商店への修理依頼は、2018年の台風24号、2019年の台風15号で、実際にありました。

実際に、被害はあることを、ここでは認識していただきたいので、3つの事例をご紹介しています。

 

事例① 棟(屋根のてっぺん部分)が飛ぶ

屋根の棟(むね = てっぺん部分)が、部分的に飛んでしまう被害です。

■屋根の棟が飛んだ事例
ガルバリウム、板金屋根 台風被害事例

ガルバリウム、板金屋根 台風被害事例

■スレート屋根をガルバリウムでカバー工法した屋根の棟が飛んだ事例
ガルバリウム、板金屋根 台風被害事例

 

事例② 屋根材が部分的に飛ぶ

屋根材が部分的に飛んでしまう被害です。

■屋根材が部分的にめくれて、飛んだ事例
ガルバリウム、板金屋根 台風被害事例

ガルバリウム、板金屋根 台風被害事例

原因は、屋根の下地が傷んで、屋根材を固定する釘の保持力がなくなったからです。

症状としては、屋根の「 軒先 のきさき 」(傾斜の先端部)から、めくれることが多いです。

板金屋根は、一般的に築30年以降、軒先で雨漏りが発生し、屋根の下地が傷んでいることが多いからです。

 

事例③ 屋根材がまるごと、めくれて飛ぶ

事例②が、よりひどくなって、屋根材が全面めくれてしまっています。

【屋根材がまるごと飛んだ事例】
ガルバリウム、板金屋根 台風被害事例

ガルバリウム、板金屋根 台風被害事例

原因は、事例②と同じですが、加えて板金屋根材は、1枚が大きく長いので、めくれるとベロっと一気にはがれてしまうのです。

 

ガルバリウム、板金屋根の台風被害の事例3つ
  1. 事例① 屋根のてっぺん部分がめくれて飛ぶ
  2. 事例② 屋根材が部分的に飛ぶ
  3. 事例③ 屋根材がまるごと、めくれて飛ぶ

ということが、実際におこっています。

 

 

ガルバリウム、板金屋根の予防対策工事の時期は15年、30年

ガルバリウム、板金屋根を、予防的にメンテナンスする時期の目安は15年、30年と覚えましょう。

そのタイミングで、台風被害の原因がおこるからです。

屋根の劣化は、

屋根のてっぺんのフタ部分の劣化(固定用に木材が使われている場合)

屋根の防水シートが劣化

屋根の「 軒先 のきさき 」(傾斜の先端部)の下地の木材の傷み

のような流れとなっています。

劣化症状がおこる前に、予防メンテナンスをしましょうということになります。

 

 

15年、30年の予防対策工事の方法と費用

予防メンテナンスの時期としては、

築15年で、棟交換【10〜30万円】(固定用に木材が使われている場合)
築30年で、葺き替え+ 木下地の強化【200万円】

がおすすめです。

それぞれの予防対策工事の方法と費用を、確認しましょう。

※ 費用は、屋根面積が30坪、100㎡の家を想定しています。目安としてお使いくださいませ。

 

築15年: 棟交換【10〜30万円】(固定用に木材が使われている場合)

屋根のてっぺんが金属のフタの固定用に、木材が使われている場合は、棟交換(むねこうかん)を行いましょう。

棟交換では、必ず木材を交換しましょう。

■古い木材
ガルバリウム、板金屋根 棟交換

■新しい木材
ガルバリウム、板金屋根 棟交換

■新しい棟板金
ガルバリウム、板金屋根 棟交換

棟交換の費用は、10〜30万円です。

項目内容
おすすめ時期築15〜20年
工事名棟交換
内容台風、強風での飛散防止
屋根のてっぺんのフタの交換
費用
(※ 30坪100㎡)
10〜30万円
何年保つか20〜30年

※ スレート屋根と同じです。

 

築30年 葺き替え+ 木下地の強化【200万円】

板金屋根は、屋根の「 軒先 のきさき 」(傾斜の先端部)から、屋根の下地の木材が弱くなりがちですので、台風の強風対策として、葺き替え工事で、古い屋根材をはがしたら、新しい屋根の下地の木材を、古い屋根の下地の上からもう1枚貼りましょう

【新しい木下地】
新しい木下地

このとき古い防水シートも結露を防止するために、できるだけはがします。

【古い防水シートはなるべくはがす】
古い防水シートはなるべくはがす

屋根の下地の補強工事は、20〜40万円です。ただ補強工事だけ行えないので、葺き替え工事と合わせると費用は200万円です。

ガルバリウム、板金屋根材のおすすめは、立平(たてひら)という名前の屋根材です。
1枚で屋根の上から下まで、屋根材がつながっているので、防水性が高いからです。

【ガルバリウム鋼板、立平の工事事例】

■古い板金屋根材の撤去
ガルバリウム鋼板、立平の工事事例

■新しい屋根の下地の木材を貼る
ガルバリウム鋼板、立平の工事事例

■新しい防水シートを貼る
ガルバリウム鋼板、立平の工事事例

ガルバリウム鋼板、立平の工事事例

■新しい板金屋根材を貼る
ガルバリウム鋼板、立平の工事事例

ガルバリウム鋼板、立平の工事事例

ガルバリウム鋼板、立平の工事事例

項目内容
おすすめ時期築30〜40年
工事名葺き替え+ 木下地の強化
内容古い屋根材を剥がす
新しい屋根材にかえる
屋根下地を強化できる
費用
(※ 30坪100㎡)
200万円
(※ 屋根材= ガルバ立平)
何年保つか30〜40年

 

 

まとめ: 台風被害は予防対策工事で最小限に

今回の話をまとめると、

金属屋根の台風被害の予防対策工事の方法と費用
  1. 棟交換(むねこうかん) 【築15年】 10〜30万円
  2. 葺き替え(ふきかえ) + 木下地の強化【築30年】 200万円

 

ということになります。

 

 

屋根材別、屋根被害予防対策工事の方法まとめ

各屋根材ごとに、台風や地震などの天災や、訪問販売による押し売りや詐欺などの人災、という屋根被害の予防に必要な最低限の修理やメンテナンス方法をまとめました。

屋根材メンテナンス方法
スレート系
コロニアル
カラーベスト
5年毎: ひび割れ補修
15年: 棟の釘増し打ち or 棟交換
30年:カバー工法 or 葺き替え+ 木下地補強
金属系
トタン
ガルバリウム
瓦棒葺き
5年毎: 特になし
15年: 棟の釘増し打ち or 棟交換(不要な仕様もある)
30年: 葺き替え+ 木下地補強
瓦系
日本瓦
洋瓦
コンクリ瓦
5年毎: 特になし
15年: 棟の取り直し
30年: 葺き直し or 葺き替え
シングル系
シングル
アスファルトシングル
5年毎: はがれ補修
15年: 棟の釘増し打ち or 棟交換(不要な仕様もある)
30年: カバー工法 or 葺き替え
※ 雨漏りがある場合は、予防メンテナンス時期の前倒しを、おすすめします。
※ リフォームを想定しているので、最新の工事方法で工事した新築一軒家の場合、予防メンテナンスの時期は変わってきます。

 

他の屋根材のくわしい予防対策工事の方法と費用は、下記の屋根材の種類名をタップすると確認できます。

 

■ スレート系: コロニアル、カラーベスト

スレート、コロニアルの台風対策。予防のための補修や工事方法と費用

 

■ 金属系: トタン、ガルバリウム、瓦棒葺き ※ この記事

 

■ 瓦系: 日本瓦、洋瓦、コンクリ瓦

和瓦、洋瓦屋根の台風対策。予防のための補修や工事方法と費用

 

■ シングル系: シングル、アスファルトシングル

アスファルトシングルの台風対策。予防のための補修や工事方法と費用

 

 

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創業75年、屋根専門石川商店の三代目。石川弘樹(いしかわひろき)です。
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【継続は力なり】
禁煙2009年〜、ダイエット2010年〜、禁酒2017年1月〜、筋トレ2018年6月〜、禁チョコ爆食い2018年12月〜
【資格】
1級かわらぶき技能士、瓦屋根工事技士、全日本瓦工事業連盟認定 瓦屋根診断士、全日本瓦工事業連盟認定 耐震化講師、耐震プランナー、増改築相談員、古民家鑑定士、ホームインスペクター(住宅診断士)、ジュニアリフォームソムリエ、リフォームスタイリスト1級、リフォーム提案士、ライフスタイルプランナー
【趣味】
ワンピース(マンガ)
【目標】
瓦割り世界大会初代チャンピオン
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