本記事の目次
台風被害を抑えるため瓦の固定が義務になりました
2020年9月9日、国土交通省は瓦屋根を使った新築住宅はすべての瓦を釘やねじで固定することが義務付けされました。
そもそも、これまでの瓦はどのようになっていたかの違いを下記にまとめました。
【今までの住宅】 | 【これから建てる住宅】 |
屋根の軒に固定されていた。 | 瓦一枚ずつ全てを固定する必要があります。 |
>義務化になった理由<
台風による風災で瓦の被害が後を絶たないのが理由です。
しかし、今回の義務化が適用される時期についてはまだ未定となっています。
適用された場合、瓦屋根の住宅を新設する際に施工費が10%程度増える想定されています。
>>間違いやすいポイント<<
既存の瓦屋根で作られた住宅への義務化は発表されていません。
あくまでこれから新規で住宅を建てる場合となっています。
同じ瓦屋根でも工法によって台風被害が変わる
現状の瓦屋根が全て台風に弱いわけではありません。どのような工法で瓦が設置されているかによって台風耐性が違ってきます。
この後、瓦葺き屋根で使われている主な施工方法についてご紹介します。
■1945年以上前に建てられている瓦屋根は土葺きと呼ばれる工法を使って設置されています。
土葺きは土で瓦と瓦の隙間を埋めてずれない様にしている工法で瓦の重さに頼っている為、強度が低く台風や地震でズレや飛散するリスクが高いと言われています。
■最新の瓦屋根はガイドライン工法で作られています。
ガイドライン工法は瓦を鉄で作られた棒のガイドラインに銅線で固定する為、台風・地震に強く震度7の揺れにも耐えれると言われています。
瓦同士を固定する防災瓦は台風に強い!
設置する工法以外にも瓦には種類があります。
その中でも「防災瓦」は上下左右の瓦同士のズレを防止する溝があり、屋根の野地板に直接ビスで固定して設置できる瓦なので飛散するリスクが少なく台風への耐性が強いと言われれています。
上の写真は防災瓦の連結部を拡大した写真になります。
台風前は瓦が固定されていてもなくても対策を!
台風の被害に火災保険で対応できることはありますが、台風前に瓦屋根の割れやズレがなかったか確認し、事前対策をしておかないと火災保険を適用してくれないことがあります。
このように事前にひび割れが入っていることもあります。
台風が来る前に定期メンテナンスをして写真を撮っておくことで経年劣化ではないことを証明できます。
屋根の上からの転落死事故!屋根の上には乗らないで
「じゃあ屋根に登って、瓦の割れがないか確認してみよう。」と思いますよね。
しかし毎年、屋根の上から転落して命を落としてしまう方もいます。
何もわからず屋根を歩き、瓦を割ってしまうこともあります。
特に台風が接近している時は突風が吹く恐れが特に危険です。
「ちょっとだから大丈夫だろう・・・」
そんな気持ちで危険が伴う屋根の上には自分で登らないでください。
気になることがあったら専門の屋根屋さんに必ず依頼して見てもらってください。
メンテナンスが終わったら証拠写真を残そう
屋根のメンテナンスを行ったら、メンテナンスの証拠写真を撮ってください。
写真を取る事でメンテナンス不足を理由に火災保険が降りなくなるのを防ぐことができます。
実際に屋根に登るのは危険ですので登らずに写真を撮る方法を下記、記事で紹介しています。
瓦屋根が台風被害に遭ったら火災保険を申請しよう
台風が来る前の対策もしっかり行っていたのに台風被害に遭った場合は火災保険を申請してください!
■火災保険の申請手順方法■
- ①契約している保険会社に連絡
- ②郵送された書類を記載
- ③屋根屋に修理見積と写真を撮ってもらう
- ④書類と見積書など必要な書類を揃えて保険会社へ郵送
火災保険について詳しく知りたい方は下記記事を!
台風の前後は悪徳業者に注意!
色んな台風の記事でも書いてますが、とにかく台風の前後に悪徳な屋根の修理業者が急増しますので注意してください。
- よくある悪徳修理業者の手口
- 【1】保険がおりれば修理費は無料と言い張り、契約を急がせてくる
火災保険が降りるかどうかは保険会社の判断です。
修理業者の判断ではありませんので急かされても契約はしてはいけません。
- 【2】屋根を無料点検しますと言って屋根に上り、瓦をわざと割るなどして修理を行おうとする業者も実在します。
- 【1】保険がおりれば修理費は無料と言い張り、契約を急がせてくる
石川商店では屋根に登らずドローンで点検を行っているので、わざと屋根材を割るなどの心配はありませんので安心してください!
まとめ
今回の記事のおさらい!
- ●これから新築住宅で瓦屋根を使う場合は瓦を1枚1枚、釘やネジで固定することが義務付けとなります。
- ●瓦屋根は瓦を屋根に固定する施工方法にすることで台風被害にあうリスクを抑える事ができます。
- ●固定が義務化されたこの機会に一度、自宅の屋根の状態を知っておくことで自然災害にあった際に火災保険を適用できる状態にしておくことができます。
台風に備えて、瓦を屋根に固定して被害を未然に防げるのが何よりです。
台風前のメンテナンスや台風被害が出てしまって困っていて、進め方がわからない場合には石川商店に一先ずご相談ください!!
電話相談を頂く中で、色々な屋根屋さんのサイトを見て混乱している方が沢山いらっしゃいます。
僕は、お時間ある際にご相談いただき自分の屋根の知識と経験で一人でも屋根の悩みが解決できるよう、お役に立てればと思っております。
石川商店からのお願い
記事を最後まで読んでいただきありがとうございます。
お客様の率直な感想をいただくため「役にたった」「役に立たなかった」ボタンを設置しました。
また、もしもっと知りたいこと、分かりづらかったことなどあれば下のコメント欄にご意見いただければと思います。
日々屋根にお困りのお客様にとって必要な情報をお伝えするために、ご参考にさせて頂きます。
葺き直し釉薬瓦など施工する場合、石川商店さんの動画で釘で固定しているように見えましたが、実際は固定していますか?桟に引っ掛けているだけのほうが、雨漏り等部分的に補修する際に便利だと思われますが、その兼ね合いはいかがですか?
だいかん さま、石川商店の石川弘樹です。
おっしゃる通り、釘で固定していないと、瓦の交換はかんたんで便利ではあります。
ただそれと引き換えに、台風や地震などへの強度が弱くなります。
どちらも一長一短なので、どちらが正しいとは言いにくいです。
ぼく個人は、被災しないのがいちばん平和、だと思っています。
また来年の4月から、瓦を釘で固定するのが新築で義務化されますので、方向性としては、災害予防によっていくのかなぁと思います。