【瓦屋根の漆喰剥がれ】修理の価格相場と、漆喰上塗り工事は勧めない2つの理由

井上 利里子
井上 利里子
  • 正直石川商店で働くまで「漆喰(しっくい)って屋根でも使ってるのね、へぇー」というくらいでした。『漆喰=壁』というほうが漆喰の印象ありました。姫路城の外壁とか有名ですよね。
    そんな瓦屋根で「どこでどんな風に」使われているか一般的でないがゆえに、何かあると業者の言われるままになりがちなことが多くあるようです。

    瓦屋根で漆喰がどんな役目をしてるのか、そしてそれはぜな剥がれ、どんな修理をするのがベストか。聞けば簡単、知らないとずっとしらない小さな疑問をご紹介していきます。

毎日屋根に関するご相談メール等いただきます。少しでもみな様の参考になる部分があればと、ご相談内容を共有していきたいとおもいます。

漆喰(しっくい)が剥がれ、中の土も一部出ていると点検業者からの報告

築30年弱の瓦屋根で屋根点検をしてもらったところ、漆喰の剥がれと一部剝れた漆喰の中から土が出てきてしまっていると報告を受けたそうです。

見積もりには『漆喰の補修』と『棟瓦の銅線穴コーキング補修』プラス足場代などもいれて50万円弱という内容。この工事内容と金額は妥当なのかどうか、というご質問をいただきました。

確かに、屋根修理費の相場や工事内容は確かめようがなく、出された見積もりのまま依頼していいものか悩むのは、多くの方が共感するところだとおもいます。

漆喰補修の世間の相場価格

棟部分の漆喰の上塗りに関して、世間の相場は1mあたり2,000〜4,000円くらい。

住宅地の一般な戸建ての家だと、棟の長さが20~40mくらいなので(棟の両側に使用するので倍の長さで計算)

 

1m4,000円の単価で、40mの棟の長さがある家を例に計算してみると

例)4,000円×80m(棟の両面分)=32万円

今回ご相談いただいた方の家は約45m(つまり倍の90m)とのことで、出された見積もり金額(50万円弱)は足場など入れたら、妥当な価格かとおもわれます。

漆喰

石川商店が見積もりを出すとしたら漆喰上塗り工事価格はHow much?

じゃあ、石川商店で見積もり出すとしたらいくらなの?というと、特別な場合以外は漆喰補修だけの工事は請け負っていないので金額設定がありません!

その理由は、構造をちょっと知ればなるほど~となるとおもいます。

 

ずばり漆喰だけの補修工事を勧めない2つの理由

理由1、漆喰が剥がれるのは『葺き土(ふきつち)』の劣化が主な原因だから

屋根の傾斜が交わる三角のてっぺん部分を『棟(むね)』といい、『葺き土』と呼ばれる土で角度を調整しながら幅の狭い『のし瓦(熨斗瓦)』を積んで屋根に蓋をします。その周りを漆喰で接着し『のし瓦』同士を固定させます。

『葺き土』は20~30年くらい経つと、劣化してパラパラのポソポソになってしまいます。葺き土で支えることができなくなってくると、のし瓦は徐々に瓦の重さで歪み始め、もろくなっている劣化した漆喰は外へ押し出され剥がれていきます。
つまり、土が瓦を積んで角度や高さを形成しているので、外から漆喰で塗り固めても数年後にはまた剥がれ出し、この時した数万円の工事も意味がないのです。以前ご相談くださった方は4年で剥がれたそうです。

瓦屋根

理由2、上塗りしたことで厚くなり、雨があたったり水はけが悪くなるから

正しい施工は、『のし瓦』より内側に漆喰がくるようにします。それは隙間が確保され直接雨水が漆喰にあたらず、そのまま傾斜の働きで雨水が下に流れていくからです。

これが『のし瓦』ギリギリに漆喰が厚く塗られていたりすると、雨水が直接漆喰にあたり水分を吸い込むようになってしまいます。すると瓦の中へと侵入した水分は『ふき土』を濡らし防水シートなどの内側へと入り込みます。逃げ道のない水が数年後には雨漏りへと繋がっていってしまうという・・・

 

棟瓦

漆喰の剥がれを解決するためにベストな施工方法は

棟の取り直し工事です。(棟瓦を一旦外して土などを新しくしもう一度積むこと)これはリフォーム業者ではできないので、ちゃんと瓦を葺ける職人さんにお願いしましょう。漆喰が剥がれているということだけですぐに雨漏りにはならないので、「漆喰がはがれてるから工事した方がいい」という業者は、かなり知識が乏しいか怪しいぞと思ってください。
取り直し後20~30年経ったころには、葺き直し工事(瓦の再利用)をして防水シートの交換と最新の耐震工法での施工しておけば、引き続き数十年安心して暮らすことができます。

 

今スタンダードになっている『南蛮漆喰』は『漆喰』と違うモノ?

南蛮漆喰(なんばんしっくい)とは何か?というご質問もたまにいただきます。現在住宅の瓦屋根で使用されている漆喰です。
今までは『ふき土』を使用していた部分に、ふき土と漆喰が一体化した瓦屋根専用の『南蛮漆喰』を使用するのが標準化しています。石川商店で使用しているのは製造トップシェアの馬場商店さんの『シルガード』。成分表には・消石灰・炭酸カルシウム白砂・繊維・防水剤(シリコン含む)・硬化遅延剤・不凍液 と記されています。より防水性が優れ施工も楽になりました。日進月歩で屋根材も研究開発が着実に進んでいます。

 

瓦屋根

 

 

 

 

 

まとめ

ざっくりでも屋根の構造を知るだけで、無駄な工事をした上に数年後また不具合が生じることも避けられます。剝れた漆喰だけを対処したことによって、雨漏りに繋がったというケースが石川商店に来た依頼でも多くいらっしゃいます。屋根にとって案外重要な役割を果たしている漆喰のことが、少しでもご理解いただけたでしょうか。

質問などありましたら、メールやお電話お待ちしております。

 

 

それではまた

 

問い合わせ/申込


日々会社に舞い込むお困り事や作業内容を基に、
いつか立派な屋根屋スタッフになれる日を夢見て勉強中。

井上 利里子(イノウエ リサコ)
【ニックネーム】 Ri-chang
【最近】  早くコロナ収まってほしいぃ

いのうえりさこです

屋根専門石川商店HP:riverstone-roofing.com

この投稿は役に立ちましたか? 役に立った 役に立たなかった 1 人中 1 人がこの 投稿 は役に立ったと言っています。

石川商店からのお願い

記事を最後まで読んでいただきありがとうございます。

お客様の率直な感想をいただくため「役にたった」「役に立たなかった」ボタンを設置しました。

また、もしもっと知りたいこと、分かりづらかったことなどあれば下のコメント欄にご意見いただければと思います。

日々屋根にお困りのお客様にとって必要な情報をお伝えするために、ご参考にさせて頂きます。

お客様からのコメント

よりお客様のお困りごとに応えられるようコメント欄を開放しました。
質問や感想やご意見をお待ちしております!

コメントはこちらへおねがいします。

オススメ記事

この記事を読んだ人にオススメの記事