(この記事は2015年月13日に公開された記事を2016年7月9日に再編集したものです。)
夏は湿気が多くてジメジメ、冬は窓や床があちこち結露、なんとなくカビ臭い…そんな部屋イヤですよね。正直お化けが出そうです。
なかなか絶えない湿気や結露の厄介な悩み。実はそれ、「屋根裏の状態」が大きく関わっている事があります。
今回はお家をもっと快適に、ずっと爽やかに保つ方法の一つである「棟換気」についてご紹介致します。
湿気・結露・カビ臭さ…実は屋根裏が原因かも
普段は見えない場所なので気に掛けませんが、ご飯やお風呂の湯気がホワホワと上に上がるように、屋根裏・天井裏はあたたかい空気や湿気がたまりやすいのです。
夏は室内の温度に加えて太陽からの熱気もダイレクトに受けてしまう為、天井温度が上がって冷房が効きにくくなってしまう原因にもなります。
冬は暖房をガンガン付けているので、外との温度差で結露が発生しやすく、その結果窓だけじゃなく屋根裏の見えない部分にも結露が発生してしまいます。
結果、お家の骨組みである構造が湿気や結露で腐ってしまって、雨が降っていないのに雨漏りしたり、かび臭かったりといった事が発生するケースがあります。
そういった事を防ぐ為には、
・天井に溜まる熱気や湿気を外に出す
・室内の温度と外の気温との温度差を少なくする
という事が必要になってきます。
棟換気は「屋根のシュノーケル」
シュノーケルは水中と外気の橋渡し、棟換気は屋根裏と外気との橋渡し役です。
専門的には、屋根裏の換気を促す為に屋根の棟の部分に空けた穴に、雨が入らないように、そして空気は通るように取り付ける、特殊加工した蓋です。
これを設置することで、外と屋根裏の温度差を少なくしたり、家の中で発生した湿気や暖かい空気を外へスムーズに排出できます。
屋根裏に空気の通り道があると、
①熱気と湿気を外に出し、天井温度を下げて室内をもっと快適に
②屋根裏と外の温度差を少なくして見えない結露の発生を防ぐ
③家の骨組みを腐食から守り、屋根そのものを長持ち
と、設置してあるだけでも大きな利点があるんです。
その特殊加工の分、その他の棟をに使う金属の部材よりも通常は割高です。
施工はこのように、屋根材の施工後も屋根裏まで続いている「換気用」の穴を空けて、そこに棟換気を設置するわけです。
今ついていなくて追加で設置するなら棟の部材を一度取り払って穴を開け、部材同士を釘と接着剤でしっかりとくっつけます。
ただ、お家の構造が「2×4」という工法で作られていると棟換気の穴を屋根屋さんだけで開けられない事があるので注意が必要。その分割高になってしまう事もあります。
設置されていても機能していない棟換気がある
ところが!!!
せっかく取り付けてあるのに…………
「棟換気 外してみると ただの棟」by 三代目
と歌いたくなることが意外とよくあります。ってもちろん弊社がやる場合はそんな事致しません。
主な原因は、工事区分の曖昧さと手抜きです。
屋根という構造部分としての工事区分は大工さん、屋根表面での防水と屋根材の仕上げは屋根屋、
と別れており、この換気の穴はどっちが開けるのか?ということを、昔は現場で大工さんと屋根屋さんが揉めるなんてしょっちゅう。
どちらも面倒くさがって、結局開空けないまま完了してしまうというケースが多かったようです。
現在は一般的には大工工事にしっかりと区分されていますし、
写真を取る事になってますので、棟換気の穴が空いてない!という現象は少なくなっているはずです、、、
ちなみにそんな事があったとき、家の構造が特殊でなければ、弊社でしっかり規定通りにガリガリ、ギコギコして穴を空け直します。
ちなみにその見分け方は、棟換気に空いている空気の通り道が、
このように汚れていると、しっかりと換気しているマークになります。ですがただの汚れと見間違える事もあるので、そこは経験が必要です!(エッヘン!)
狭い換気口でもギリギリ換気してあれば、完全でなくてもとりあえずは結露などを防止してくれている…なんてこともあるのです。
ですので、仕様書や外から見た感じでも換気が付いているのに、やたらと2F部屋が暑い…なんて時は、ちゃんと穴が開いていない可能性があるんです。
まとめ
実は屋根裏の湿度管理は、屋根というより家自体を長持ちさせる重要な要素のひとつです。
その為に通常よりも高い金額をする棟換気を設置する訳ですから、ちゃんと機能する状態で設置したいですよね?!
工事をお願いする場合は、特に見えない部分ですから、しっかりとした職人さんにお願いしたい所ですね
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