J形、S形、F形は形が異なります。
J形とS形は皆さんがイメージされる一般的な瓦です。
一番の違いは、S形のほうが瓦の丸みが大きく、J形のほうがどちらかというと平坦です。
しかし、瓦独特のカーブがあることは変わりません。
J形のJは「JAPAN」を意味し、和風を表しています。対して、S形は洋風瓦です。
F形のFは「フラット」のF。そのため、J形、S形と異なり、真っ平らです。日本語では平板瓦といいます。
F形には唯一弱点があります。
J形、S形はカーブがあるため水の通り道が決まっており、道なりに水を流せば雨漏りしません。
ただしF形は水の通り道がないため、好きな方向に水が流れてしまいます。そのため、瓦の下に水が入り込んでしまうことがあるのです。そこには、水切りと呼ばれる隠れた水の通り道があるため、屋根の構造部分まで水が染み込むことはありませんが、表面上での水の処理能力という点ではJ形、S形より劣ります。
F形にはJIS規格には登録されていませんが、マウント瓦やフレンチ瓦なども含まれることがあります。両種とも山の高さは違えど、瓦独特のカーブがありますので、平板瓦のようなことはありません。このようにF形は、平板瓦以外の形の瓦も含みますので、J形、S形以外の瓦という認識でいいと思います。
平板瓦を除けば、どの瓦も機能性はほぼ変わりません。
瓦の最大のメリットである断熱性の高さや、結露の発生の防止、雨漏り防止、屋根の下地の劣化・腐敗の防止などすべてのメリットを享受できます。
では、なぜ機能性はほとんど変わらないのに、様々な形の瓦が生まれたのでしょうか。
それは、意匠性を高めるためです。
屋根のデザインを気にしない方は多いですが、家の外観に対する屋根の占める割合は大きいです。
屋根の色や形によって、意識しなくても重厚感を感じたり、シンプルなイメージを抱いたりします。
よく観察すると、屋根に限らず、上層部より低層部の外壁の色が濃い高層マンションを見かけます。
おそらく、上部の色を薄くすることで、圧迫感を感じさせない意図があるのでしょう。
屋根などの上層部は、建物全体の印象を変えてしまうのです。
普段あまり気にしないかもしれませんが、使用する瓦によって、家の外観は大きな影響を受けます。
和風の重厚感のある屋根にしたいならJ形、西洋風のオシャレな屋根にするならS形、シンプルな印象の家にしたいならF形と使い分けるのが一番いいかもしれませんね。
次回は、「海外で使われている屋根の素材」についてお話しいたします。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜昭和二十六年創業。屋根に関する製造・販売・工事の全てを経験。
屋根専門石川商店の三代目、1級かわらぶき技能士
石川弘樹(いしかわひろき)です。
【趣味】 ワンピース(マンガ)
【目標】 瓦割り世界チャンピオン
【ブーム】 なんだか断りそうだな、、、
【困り事】 寝ても寝ても眠い病
屋根専門石川商店HP:riverstone-roofing.com
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屋根で損する人をゼロにしたい、屋根屋の三代目です。
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