はじめての天窓雨漏り。原因と修理費用【応急処置から全交換まで】

石川 弘樹
石川 弘樹
  • 光を室内に取り入れ、夢のある空間を作り出す「天窓(トップライト)」。風の通り道にもなるので、明るく清々しい気持ちで過ごせますよね。室内にいながら日光浴もできるので、健康面でも快適に過ごせちゃいます。

    ですがそういいことばかりではなく、同時にデメリットとしての暑い・まぶしいといった不満の声も目立ってしまいます。

    中でも不安だという声が多いのが【雨漏り】。

    そろそろ夢の空間にも慣れてきたなーという頃にピチョンと雫が落ちてきて肝が冷えた方も多い事でしょう。
    そうなってしまうと更に「交換しないとダメなのかな…」という不安も出てきて気が気じゃありません。

    今回は、不安の尽きない天窓雨漏りの原因やその見分け方から、「撤去・交換以外」メンテナンス方法と費用目安についてもご紹介いたします。
    もう今漏っちゃってるよ!という方にもご覧いただければと思います。

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この記事はこんな人におすすめ

●雨の日に、天窓の下が水たまりになっていた方

●もしかして「 天窓 」から雨漏りしてる? とおもった方

●天窓の修理方法の情報が少なくて、どうしたらいいか分からない方

●天窓の雨漏り修理の、費用感が知りたい方

この記事で伝えたいこと

天窓の雨漏りの原因は、

・ガラスパッキンの劣化
・排水部からの逆流
・防水部の劣化

この3つです。

あなたの家の、天窓の雨漏りの原因がわかれば、修理方法も費用の目安がつきます。

この記事の最新版はこちら。

はじめての天窓雨漏り。原因と修理費用まとめ【2020年版】

 

 

「天窓の雨漏り、修理」の質問についてまとめた動画はこちら。

 

天窓と雨漏りは、切っても切れない関係性

法律としても光を取り入れるのに取り付けられる天窓。光の差し込む素敵なリビングの演出だとか、足元が心配な階段の踊り場を明るくしたりと夢が膨らみます。

いつか家を建てたら天窓をつけたい!という方も多いハズ。

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ですが、どれも基本的には屋根に穴を開けて設置するもの。天窓自体突起物なので雨は必ず受けますし、ガラス部分はもちろんですが出っ張った上の方に水が溜まりやすかったり、水が回りこんでしまったりするので雨漏りの危険性が高いんです。

もちろん、メーカーさんで水が入り込まないように工夫を凝らした設計がされていますが、それ以上に一層気を配った施工が必要になります。

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天窓の周りには水が入り込まないように防水テープをぐるりと貼られ、上の方にも水が溜まらないように、水切と呼ばれる金属の板(板金)使って水がスムーズに下へ流れるように施工されます。

瓦屋根の場合は形に波がありますので、下の写真のように水切りの他に鉛でできたシートが天窓の下に敷かれています。

ですが、雨や雪を受けながら10年20年と経ってくると、どうしても雨が入ってきてしまいます。

【念のため】結露で、天窓付近が濡れている場合もある

雨の日だけに、天窓が濡れているなら、雨漏りの可能性が高いです。
反対に、雨の日じゃないのに、天窓が濡れているなら、結露の可能性が高いです。

結露の場合は、この記事の対策では直らないこともありますので、雨の日なのか、雨の日以外にも濡れているのか、しっかりと確認しましょう

こちらの記事では、DIYで自分でできる結露対策を紹介しています。

雨漏りの方は、このまま読みすすめて大丈夫です。

天窓からの雨漏りの原因は大きく3つ

なるべく雨が入らないように設計されている天窓。メーカーや屋根材によって多少の違いはございますが、構成をちょっとだけ詳しく説明しますとこんな感じです。

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天窓断面横+

 

天窓が野地を貫通しているようなものですが、大雨で水が多く流れてきても、パッキンや水切り・防水テープ・防水シートのおかげで天窓の穴の中に入らないようになっています。

水をちゃんと逃がす仕組みになっているのになんで雨漏り…その原因は、だいたい3つに分けられます。

 

原因その①:ゴムパッキンの劣化

窓枠に使われているゴムパッキンと同じ素材ですが、壁のシーリング材と同じようなものですので、だいたい10年程度で劣化してきます。

天窓のガラス部からの雨漏りでは天窓の室内側に雨水が直接漏れます。

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この場合、雨の日に天窓のガラス面から水が入ってしまい、室内に直接ポタポタと落ちてくるのですぐに雨漏りに気がつくことができます。

天窓の雨漏りのご相談でお話をお聞きしていると、フローリングや階段に水たまりができていて雨漏りに気付いたお客さまが意外と多いです。

天窓のガラス部からの雨漏りで、室内側に水が漏れている場合は、雨漏りの症状をすぐに確認できることが多く、ガラスから壁紙表面を伝って床に水が落ちているので、雨漏りの被害が軽度ではありますが、ガラスパッキンは築10年前後で劣化し、日当たりがいいほど劣化は早いので、雨が降ったら室内から天窓を見上げたり、天窓の下に水たまりができていないか確認しましょう。

 

修理: ガラスパッキンの補修、交換 4万円〜

ガラスパッキンの補修の流れを実際の工事事例とともにご紹介します。

流れとしては、

外枠、古いシール剤の撤去 ※ どちらも撤去できない場合もある

清掃、養生、シール剤の接着剤を塗る

シール材を塗る

となります。

【外枠が外せる天窓】
外枠が外せる天窓

【外枠の撤去】
外枠を撤去した天窓

【古いシール剤の撤去】
古いシール剤の撤去

【清掃】
ガラス清掃

【シール剤の接着剤(= プライマー)を塗る】
天窓シール プライマー1
天窓シール プライマー塗布

【シール剤を塗る】
天窓ガラスシール シール剤塗布

【工事完了】
天窓ガラスシール 完成

 

原因その②:排水部のゴミなど異物の詰まり

長年で積もった落ち葉やゴミ・たまたまできてしまった鳥の巣や台風による直接の吹き込みなどで、水切りの上の方に雨水が逆流して中に入り込んでしまうことがあります。

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天窓の排水部からの雨漏りの症状は多くの場合、異物による詰まりの場合は屋根裏側に水が漏れ天井に雨染みができ、台風による直接の吹き込みの場合は、室内側にも屋根裏側にも水が漏れます%e7%95%b0%e7%89%a9

下葺きである程度防ぐことができるとはいえ何年も水が溜まりがちであれば雨も浸透してしまいます。下地を貫通しているので、下葺きすら通りぬけてしまうとそのままじわじわ入り込み、雨漏りしてしまうんです。

ゴミの詰まりというとても小さな原因ですが、家の中まで湿ってしまって痛みやすい状態。結果的に修理しないといけない場所が天窓どころではなくなるので、意外に被害は大きい場合もあるので厄介です。

修理: 排水部の清掃 1万円〜4万円

排水部の清掃をするにはまわりの屋根材を剥がして掃除をします。
鳥の巣 掃除

瓦はかんたんに剥がせる場合が多いですが、スレートや金属などの場合は剥がせないことがほとんどで、うまく清掃できないことが多いです。

鳥の巣ができるのは瓦屋根が多いので問題ないかもしれませんが、スレートや金属屋根でも土埃や泥などが詰まって雨漏りすることもあるので注意しましょう。

台風による直接の吹き込みは、天窓の構造上の問題で防げないこともあります

費用は点検費用と同じで、お住まいの地域により1〜2.5万円、瓦の一時撤去などひどい場合でおよそ4万円です。

 

また、ゴミの詰まりが全周に渡っているなど状態が酷いと、瓦の撤去・復旧の手間がかかってしまう為、場合によっては20万円と費用が発生してしまうこともあります。

ですので、あまりに酷い場合はお掃除でなく交換や撤去をおすすめさせて頂いております。

画像のご自宅は鳥の巣が作られていただけでなく、ルーフィングや防水テープがしっかり施工されていないという手抜き工事もございました。

また、石川商店ではお客様の「もう天窓で悩みたくない」というご要望から、撤去まで行っております。

↓詳しい修理の様子はこちらからご覧いただけます↓

築20年瓦屋根の天窓から雨漏り。原因は劣化と鳥の巣?!撤去工事にお伺いしました【雨漏り修理】

原因その③:防水シートの劣化など、防水部からの雨漏り

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上記にも触れましたが、鉛のシートはスカートやエプロンとも言って瓦屋根のように波打った形状の屋根で使われます。

と言いますのも、使わずに施工すると枕で使う木に水が溜まってしまったり、大雨の際に下葺きの上を通る水が増えたりと雨漏りのリスクが数倍になるからです。

防水シートを使うと、天窓の上や脇から流れてくる水をスムーズに瓦の上に流すことができます。

ただ、瓦の形に変えやすいよう鉛でできているので、20年経つとどうしても穴開きが出てきてしまい、異物の詰まりと同じ流れで雨漏りが発生します。

こちらも下地から家の中を通って室内に落ちてくるので、早急な対応が必要です。

鉛のシートを交換 10万円〜

鉛のシートは形を変えやすい鉛でできている分、何年も水を受けていると劣化し穴が開いてきてしまいます。

穴

まずは周りの瓦を撤去し、防水シートを剥がしていきます。コーキング材でしっかりとくっついているので、カッターを使い丁寧に剥がします。

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次に、瓦の頭の部分までスムーズに水が流れるよう、高さ調節として劣化に強い三角の専用部材を敷きます。※メーカーによっては無いものもあります。

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新しい鉛のシートを差し込み、瓦を復旧させてコーキング材で水切りと接着させます。

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コーキング部分の見た目を整えて完了です。

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上記鉛のシート意外にも防水部からの雨漏りの原因は、天窓と屋根の接合部の防水層が破れたり、そもそも天窓自体が壊れてしまっていることです。

【防水層破れ】
天窓 防水層からの雨漏り事例

【天窓の故障】
天窓の故障や壊れ事例

天窓の防水部からの雨漏りでは屋根裏側に水が漏れ天井に雨染みができます
排水部からの逆流 図解

防水部からの雨漏りだと確実に屋根裏側に水が回るので、雨漏りの被害が大きいので厄介です。

築30年で天窓接合部以外の防水シートも劣化してくるころなので、屋根の葺き替えと同時に天窓も交換、もしくは撤去することを考えましょう。

修理: 天窓の交換 40万円〜

天窓を交換するときの流れとしては、

天窓まわりの屋根材の撤去

古い天窓の撤去

新しい天窓の設置

防水シートの施工

撤去した屋根材を戻す

となります。

【工事前】
天窓交換工事事例 工事前

【天窓まわりの屋根材の撤去】
天窓交換工事事例 周辺屋根材の撤去

【古い天窓の撤去】
天窓交換工事事例 古い天窓の撤去

【新しい天窓の設置】
天窓交換工事事例 新しい天窓の設置

【防水シートの施工】
天窓交換工事事例 新しい防水シートの施工

【撤去した屋根材を戻す】
天窓交換工事事例 周辺屋根材の復旧

【交換工事完了、屋根】
天窓交換工事事例 交換完了 屋根上

【交換工事完了、室内】
天窓交換工事事例 交換完了 室内

修理: 天窓の撤去、塞ぎ 30万円〜

もし、これを機に天窓を撤去、塞ぎたいという時の流れとしては、

天窓まわりの屋根材の撤去

古い天窓の撤去

新しい屋根下地の設置

防水シートの施工

撤去部の屋根材を戻す

となります。

【工事前】
天窓撤去工事事例 工事前

【天窓まわりの屋根材の撤去】
天窓撤去工事事例 周辺屋根材の撤去

【古い天窓の撤去】
天窓撤去工事事例 古い天窓の撤去

【新しい屋根下地の設置】
天窓撤去工事事例 新しい屋根下地の施工

【防水シートの施工】
天窓撤去工事事例 新しい防水シートの施工

【撤去部の屋根材を戻す】
天窓撤去工事事例 周辺屋根材の復旧

※ 不足する分の屋根材は、新しく調達します。

【撤去工事完了】
天窓撤去工事事例 撤去完了

雨漏り修理を依頼する時のポイントは?

雨の日、いつもは日が差している屋内に「ピチョン」と水が垂れてくる…ちょっとした恐怖ですよね。すぐに修理をお願いしたいところですが、その原因によって直し方が変わります。工事をする人も、その場で直せればいいのですが…すぐに直せないこともあります。

そうした事を避けるためにも、ある程度状態をお教えいただけるとよりスムーズに修理が可能です。

3つの雨漏り原因でも少しだけ触れましたが、原因の見分け方はたったの二つ

・雨の日、ガラスのあたりから雫が落ちてくる
・周りの壁や天井にシミができている

それぞれの場合のポイントは?

ガラスから雫が落ちてくる場合の頼み方

ガラスあたりから落ちてくるのはゴムパッキンの劣化。比較的早く雨漏りに気がつくことができるので、被害が広がる前に対処ができます。
「天窓のガラスパッキンの修理をお願いしたい」と依頼するのがよいでしょう。

壁や天井にシミができている場合の頼み方

シミができているのは異物の詰まり・鉛のシートや水切りの劣化。こちらは通常の屋根からの雨漏りと同じで、屋根の下地板だけでなく家の骨組みである「躯体(くたい)」にも通ってきているので、中も湿っています。

早急な対応が必要なのですが、気がつくのにも時間がかかります。そうすると、被害が天窓だけではなくなってしまうのでさらに注意が必要です。

少しでもおかしいと思った場合は、いち早く修理を依頼しましょう。

正規工事店に連絡する

ただ天窓の雨漏りに精通している業者は非常にまれです。
建築業界全体で、天窓は触れた業者の責任になるから触らない、という風習が今でも根強いからです。

ネットなどで調べて近くの業者に連絡するよりは、ベルックスやリクシルなどのホームページから、正規工事店を探すのがよいでしょう。

ベルックスの場合

ホームページに推奨工事店がリストアップされています。
お近くの工事店に直接連絡をして依頼できます。

ベルックス推奨工事店

リクシルの場合

フリーダイヤルに連絡すると工事店が紹介される仕組みです。

電話番号はこちら。0120−126−001

廃盤や古い海外メーカーの天窓でも雨漏りは直せます

現在、日本に残っている天窓メーカーは、上記のベルックスとリクシルだけです。
ですが、その他のメーカーの天窓の雨漏りで困っている方もいらっしゃるでしょう。

部品交換はできませんが、ガラスパッキンのシーリングやゴミ掃除、天窓を交換することで雨漏りを止めることはできます。
まずは石川商店までご相談ください。

お電話でのお問合わせは03-3785-1616まで!

メーカーと築年数だけでわかる、わが家の天窓雨漏りの修理費用

まとめ:全交換よりも安い、早めのメンテナンス

なかなか普通は日頃から天窓のメンテナンスなんて気にしませんし、漏ってから「やばい、どうしよう」となる方がほとんどですよね。とはいえ、全交換は費用もかかってしまいますし、なかなか手が出ません。

ですが雨が漏ってしまっていても、気づいた時に早くメンテナンスをしてあげることで天窓を全交換しなくて済むことが多いので、是非今日お話させていただいたことを参考に気づいた時点で早めにご相談いただければと思います。

 

今回の話をまとめると、

天窓雨漏りの原因と修理費用
  1. ガラス部からの漏水:4万円〜
  2. 排水部からの逆流:1〜4万円
  3. 防水部の劣化:30万円〜

ということになります。

わが家の天窓の雨漏りが心配なら、まずは石川商店にご相談を

石川商店に電話するともれなく石川弘樹の携帯に転送され、必ずぼくが電話に出ます。
屋根で損する人をゼロにしたい。だから、相談してほしい。

これからも気軽に相談できる屋根屋になれるようにできる限りをつくしたいと思います。

電話、メールはこちら。

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創業75年、屋根専門石川商店の三代目。石川弘樹(いしかわひろき)です。
20141125_profile_01
【肩書】
日本屋根ドローン協会代表理事、東京都瓦工事職能組合 震災対策委員長
【資格】
1級かわらぶき技能士、瓦屋根工事技士、全日本瓦工事業連盟認定 瓦屋根診断士、全日本瓦工事業連盟認定 耐震化講師、耐震プランナー、増改築相談員、古民家鑑定士、ホームインスペクター(住宅診断士)、ジュニアリフォームソムリエ、リフォームスタイリスト1級、リフォーム提案士、ライフスタイルプランナー
【趣味】
ワンピース(マンガ)
【目標】
瓦割り世界大会初代チャンピオン
【ブーム】
10年ぶりに1日3食に戻す
【困り事】
体重増加が止まらない

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  1. お名前 : 匿名  

    天窓の知識が深まりました ありがとうございました。

  2. お名前 : 石川弘樹  

    お役に立てたのであれば何よりです。

  3. お名前 : トンボ  

    普通、見えない箇所の説明が、丁寧で、良く理解出来ました。
    有難う御座います

  4. お名前 : 石川弘樹  

    トンボさま
    お役に立てたのであれば何よりです。
    もし少しでも分かりづらいところがあれば、改善していきたいので助かります。
    石川弘樹

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