【屋根の予防工事】工法の内容から安心してまかせられる業者さんの見つけ方まで

大久保 崇
大久保 崇
  • こんにちは!ライターの大久保です!

    屋根の予防工事についてのインタビュー後編!ラバーロックとか、ガイドライン工法とか専門的なことから、ちゃんと予防工事してくれる屋根屋さんの見つけ方まで話を伺いました。前編と合わせて是非ご覧ください!

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この記事はこんな人におすすめ

・築30年前後の瓦屋根にお住まいの方
・同業者の方(屋根屋、工務店、大工さん他)
・石川商店(石川さん)に興味がある方

この記事で伝えたいこと

・ラバーロックやガイドラインといった専門的なことが分かる
・ラバーロックを低コストで効果的にするウッドロックについて
・安心して予防工事をまかせられる業者の見つけ方

前回は予防工事の概要を教えてもらう流れから、ラバーロックという工法について聞くところまで進みました。

※前編の記事はこちら

ラバーロックというのは瓦と瓦を接着材で固定することなのですが、それだけでは強度は不十分とのこと。瓦をめくって下地にしっかりと固定した上で、接着しないと効果的ではないのですが、この作業がかなり手間で、固定せずにラバーロックだけをしている例もあるようです。

話を聞きながら、屋根の修理やメンテナンスは高額だし、しかも専門的なことも多すぎて分からないし、これだと、災害予防したくても業者に問い合わせすること自体が難しいだろうなと思いました。なので、最後には「安心して予防工事してくれる業者さんってどうやって見つければいいだろう?」というところまで聞いています。

参考になれば幸いです。

本記事はインタビューを記事化したものです。

みんなの屋根の相談所|石川商店 – YouTube

効果的なラバーロックは瓦を下地に固定することが必須

    • ラバーロックという工法には賛否があるようですが、石川さんは実際に実験してその効果を確かめています。その結果、4枚に1枚は固定しないと効果的ではないとおっしゃります。それと、水の抜け道をしっかり確保しないと雨漏りにも繋がるので、接着量も少ない方がいいとのこと。

石川―――
仲間内にも、ラバーロックをするなら4枚に1枚は固定してやってくださいって伝えています。とはいえ、そもそも屋根屋さんがラバーロックをすることが少ないです。あえてやる人がいません。

屋根屋さん以外の業者さんは、「固定もしないでくっつけられるから楽」という理由でラバーロックをしていることもあります。これだと、耐風対策としても効果的ではないし、雨漏りになる可能性もある。

瓦を繋ぎ合わせて隙間を塞ぐことで防水にいいのでは?というイメージがあると思うんですけど、むしろ逆で、水の抜け道を塞いでしまうと雨漏りがしやすくなってしまいます。

水の流れは、屋根の中に入って外に出てを繰り返して水が流れるんですけど、瓦の接着によって出口を塞いでしまうことになり、逆流して防水シートに水が溜まり雨漏りに繋がってしまいます。

中にはラバーロックで全ての隙間を塞いでしまう人もいるのですが、全部塞がない方がいいです。なので、一部の隙間を残すためにL字で接着するなどしますが、それでも塞いでいることに変わりはないので、何もしないのと比べるとあまり良いとは言えません。確かにすべてが接着によって固定されていれば屋根の強度は出るかもしれませんが、L字くらいでおさえて、強度と雨漏りのバランスを見てやった方がいい工法です。

 

とりあえず、瓦を下地に固定をしていないラバーロックは、災害予防とか安全性を高める効果はあまりないと言えますね。

3040年ぐらいの瓦屋根の下地は、痛みにくい木材と、痛みにくい構造をしているので、雨漏りしていない限りは強い下地があります。無垢の木を隙間をあけて打った下地なので、割と耐久力が高いので、下地自体があまり劣化してないんですよね。なので、瓦を下地に固定しつつ、ラバーロックで固定すれば非常に強度が出るとは思います。

ラバーロックの強度アップ!ウッドロックとは?

    • 石川商店では、瓦をめくらなくてもラバーロックの強度を確保できるように「ウッドブロック」というオプションを提案しています。これは、「瓦屋根の災害予防をしたいけど何百万もかけたくない」という方にとって、選択肢の1つとなるものです。30年ほど住んだ家をそのままの形で、もう30年住むと言う場合であれば高額な費用をかけてもいいと思えるかもしれませんが、数年だけとなるとできるだけコストをおさえたいと思います。ネックは「見た目」ですが、安全性や機能性が高いのが特長です。

    • ※詳しい記事はこちら

石川―――
僕達は(瓦のプロである屋根屋は)瓦をめくって釘を打ち、しっかりと閉じることができますが、他の業者さんができるかと言うと難しいと思います。そもそも瓦が抜けるってことを、皆さんあまり思っていないみたいですので。

語弊があるかもしれないですけど、多くの屋根屋さんはラバーロックが好きではないので、屋根屋さんではない人がやることが多い工法がラバーロックです。なので、屋根屋さんじゃない人でも瓦を下地に固定できるように、木枠を使い上から瓦ごとビスで固定してしまおうということでウッドロックを作りました。瓦に直接ビス打ちすると割れるので、格子状の木枠でおさえて固定します。

屋根の上に木の枠組みができるので見た目は悪いですが、あと5年ぐらいだけ住みたいとか、ちょっと耐風・耐震対策をしたいっていうのに使えます。築30年ぐらいの瓦屋根の家で耐震工事をやろうとすると、ガイドライン工法とかすると300万ぐらいかかってしまうので。

ただ、そこまで金額はかけられない人に取って、安く簡単にという部分でラバーロックをするというのは良いのですが、それだけだと不安なのでウッドロックというオプションを追加すれば安全性の効果が高まります。

あと、木の枠組みができるので、最悪被災したときもブルーシートの固定もしやすいというメリットもあります。ブルーシートは土嚢をあげるのが大変ですが、ウッドロックがブルーシートの固定に使えるので応急処置もしやすくなります。

まだまだ、昨年からなので件数は少ないですが、実際に施工してもらった人は金額面で諦めていた予防対策ができるようになったので好評です。

ガイドライン工法とは?

    • ウッドロックの話を聞いていると、以前インタビュデーでもとりあげたカバー工法(古くなった屋根の上にそのまま新しい屋根を被せる工法)の簡易版のように感じました。少ないコストでもしっかりと予防したいと思う人に、ウッドロックが届いて欲しいです。
      話は変わって、新築で瓦屋根の家を建てる際に、法律で義務づけられているガイドライン工法に移ります。ガイドライン工法はリフォームでは義務づけられていませんが、安全性を高めるにはしておくべき工法です。しかしどうしても金額が高くなることで、予防を率先して行う人は少ないのも現実。石川さんはちょっとした予防の意識をお客様にも業者側にも持って欲しいと話します。 

石川―――
ガイドライン工法とは、地域によって「瓦を何枚に1枚固定する」ということが決まっていて、そういった基準が計算できるようなガイドラインに基づいて行う工法のことです。地域、家ごとに基準があって、新築するときには必ず守ってくださいというもの。リフォームの場合は絶対ではないのですが、強度のためにもするべきだと思います。

地域によっては昔のフックがない瓦だと全て釘で固定しても、この風速地域では強度が足りないとなったら、全部新しい瓦に交換する場合もあります。ただ、仕様によりますが30坪ぐらいでも300万ぐらいになってしまいますね。

大久保―――
屋根の工事は高額ってイメージがあるので、屋根の問い合わせ自体をためらうし勇気がいりますよね。

石川―――
確かに、雨漏りすると100万~200万ぐらいかかると思うと、まだ雨漏りしているわけではないし、放っておこうとなって、そのまま3040年経つと災害時に酷い被害を受けるということになってしまいます。だから、手軽と言うか、金額的に負担の少ない災害予防ができるようにと思って(災害予防パックを)作ってみたんですよね。

家の景観は多くの方が大事にするので、塗装は行う人がいると思います。塗装は見た目を綺麗にする目的としては確かに大事です。例えばその時に、通常の塗装だと棟部分の釘の増しうち等を追加するだけでも災害予防になります。塗装工事の邪魔にもならないので、そんな感覚でお客様も業者側も考えてもらえるといいなと思っています。

ちゃんと工事してくれる屋根屋さんの見つけ方

    • 屋根の工事は高額だからこそ、どういった工事をすればいいのか?どこにお願いすればいいのか?騙されているのかもしれない……等、高額になるからこそ、ためらう気持ちが出てきてしまい、結果「何もしない」となってしまいます。だからこそ、騙されないためにはどうしたらいいのか、どうやって情報収集したり、良い業者を見つけたりできるのかを聞きました。

石川―――
損しないようにするため、やらなくてもいい工事を回避するためには、まず、飛び込みみたいな訪問業者には頼まないのが一番ですね。

とはいえ、自分で探す場合でも、今は情報が溢れすぎているので何を信じて良いか難しいと思うのですが、まず判断基準として「実名で顔出ししている」ことを基準にするといいと思います。比較サイトとか、それっぽいサイトが検索していると上位に上がってくることがありますが、屋根屋さんとは関係ない会社が作っているサイトということもあるので。発信者自身が、屋根屋さんで顔出しして、どこにも逃げられない状態にある場合は、ある程度信頼してもいいのかなと。

ただそれでも疑う気持ちも分かります。実際に僕もこんな風に色んなことを発信していると、例えばさっきのラバーロックのことでも、YouTubeのコメントで「自分の商品売りたいだけだろ!」って書かれたりするので(苦笑)

情報を公開している以上、それは宣伝になるかもしれません。でもこちらは実験もして、良い悪いを判断しています。業界でもラバーロックは効果があると言う人とないって言う人がいて、色んな人に聞いた結果、自分でもわからなくなったから実験したんです。だから、同じように証明する実験して、「こうすると効果がある」って教えてもらえたら、喜んで取り入れます。根拠があれば誰だって納得しますよね。

だから一般の人も、何が大事なのかを冷静に考えてもらえたらと思います。

あとは、はじめに提案されたことはまず疑ってみると言うことも大事ですね。多くの人は、提案された時に、「提案内容の相見積もり」を探そうとするんですけど、そもそも、その提案内容が正しいのかを考えた方がいいです。以外とそこを疑う人が少なくて、そもそもの入り口が間違えていると良い結果にはたどり着きません。

大久保―――
いわゆるセカンドオピニオンが大事ってことですね!

石川商店は全国どこからでも屋根の相談を受け付けています

みんなの屋根の相談所:石川商店では、よりお客様に近いところでお客様の悩みにお答えできるよう活動し、屋根の専門家+様々な知見をもったライターが、あれやこれやと知恵を絞りながら、役に立つ情報を届けていきます。

石川商店ではこれからも日々情報を発信し、お客様の声に耳を傾けていくので、屋根の悩み事はお気軽にご相談ください。

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最後までご覧いただきありがとうございました。

前編後編に分けて「予防工事」についてお届けしてきました。

震災が大きい時でも、被害を最小限にできるので予防に努めるのは大事だと思います。ですが、予防の重要性や、そもそも予防できることを知らないという人も多いのが現実。だからこそ、少しでも屋根で損する人をゼロにできる情報発信を、これからも継続して続けていくことが大切なのだと思いました。

また次のインタビュー記事も楽しみにしていてください!!

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