本記事の目次
【東京都目黒区】パミールからオークリッジスーパーへ、屋根葺き替え工事の事例
屋根で損する人をゼロにしたい、みんなの屋根の相談所、石川弘樹です。
今回は、東京都目黒区で、パミールからオークリッジスーパーに、屋根の葺き替え工事をおこなった事例を紹介します。
スレート屋根の葺き替え工事は、1日で完了
石川商店での、スレート屋根の葺き替え工事は、5〜8人くらいで1日で工事を完了します。
工事の流れは、こんな感じです。
- スレート屋根の葺き替え工事の1日の流れ
- 手順① スレート屋根材の撤去 【120〜180分】
- 手順② 屋根下地の補強 【90〜150分】 ※築30年前後の家は実施
- 手順③ 防水板金の設置、防水シート貼り、屋根材の荷揚げ 【60〜90分】
- 手順④ 新しい屋根材の設置、工事完了 【120〜240分】
順番に工事の様子を、写真つきで解説します。
手順⓪ 工事前状況
こちらが、工事前の状態です。
(点検時にドローンで、屋根に上がる前に撮影しています。)
■全景
屋根の詳細は、こんな具合です。
■詳細
パミール特有の症状が、顕著に発生しています。
パミールは、独特の結露が発生する屋根材なので、カバー工法するよりも、葺き替えで完全に撤去するのが、もっとも安心です。
今回は、外壁塗装の足場を利用して、屋根もいっしょに葺き替え工事をしました。
手順① スレート屋根材の撤去 【120〜180分】
まずは、もともとの屋根材を撤去します。
パミールの結露による、釘のサビの状態は、実際にはこんな具合になっていることがほとんどです。
■パミール 釘のサビ
■屋根材の撤去完了
ここまでおよそ2時間程度、8時過ぎくらいからはじめて10時くらいには、だいたいの屋根材の撤去が完了します。
区切りがいいので、ここでいったん休憩を30分弱とります。
建築業界の「 10時のお茶 」というモノです。
昔は、お客さまから飲み物や軽食を出してもらうのが一般的でしたが、今は、自分たちで用意するのが多いでしょう。
当然ぼくらも、自分たちで用意してあるので、お気遣いいただかなくても大丈夫です。
反対に、お茶を出さないと気まずい、というお客さまもいらっしゃいます。
お茶を出されたら困るということも、もちろんありませんので、ありがたくいただきます。
ただ、コロナの感染予防を考えると、お互い自前で用意しておくのが、これからはますます一般的になっていくのかと思います。
手順② 屋根下地の補強 【90〜150分】
※築15年前後なので、今回は野地板の増し貼りは、おこなっていません。
築年数が30年前後の家は、野地板 (のじいた) という、屋根の下地の木材を、もともとの野地板の上から、増し貼りします。
■屋根下地の増し貼り ※サンプル写真
古くなった野地板は、釘の引き抜き強度 (屋根材を固定する釘が抜けないようにする力) が弱くなっているため、台風などの強風でのスレート屋根材の飛散予防として補強したいからです。
野地板の増し貼りをする場合は、できるかぎり古いルーフィング (防水シート) をはがします。
木と木の間に、異素材のルーフィングがあると、結露する可能性があるからです。
■古い防水シートの撤去 ※サンプル写真
※ルーフィングが野地板にベタっとくっついてしまい、完全にははがれないことも、少なくありません。
手順③ 防水板金の設置、防水シート貼り、屋根材の荷揚げ 【60〜90分】
築年数が10年前後の場合に、屋根材の不具合などで、早めに葺き替える場合は、手順②の屋根下地の補強は、おこないません。
もちろん、雨漏り箇所の下地の交換や、強度確認の上、必要に応じて補強します。
今回は、雨漏りや強度に問題ないので、この手順③を、10:30ごろから作業再開です。
水切板金 (みずきりばんきん) という、雨が屋根の下地や壁側に回らないようにするために、屋根材を設置する前につける必要のある、金属の板を設置します。
■防水板金の設置
ルーフィングという、屋根の防水シートを、屋根全体に貼ります。
■防水シート貼り
防水シートは1枚の大きなシートではなく、縦幅1mのモノが20mのロール状に巻かれているモノです。
例えるなら、キッチンペーパーとか、トイレットペーパーが大きくなったようなモノですね。
なので、屋根の傾斜の下から順番に、重ね合わせながら貼っていきます。
防水板金の設置と、防水シート貼りは、手分けして同時進行していきます。
そして、あらかたの防水シートが貼られると、新しい屋根材を屋根の上にあげる「 荷揚げ (にあげ) 」作業をはじめます。
防水シートを屋根全面に貼り終えると、ぼくらも一安心です。
ここまでくれば、まず雨漏りすることはないからです。
このころに12:00前後になりますので、お昼休憩を1時間ほど取ります。
手順④ 新しい屋根材の設置、工事完了 【120〜240分】
13:00ごろから工事を再開して、新しい屋根材を設置していきます。
■工事完了
屋根の葺き替え工事がは、早ければ、15:00ころには完了します。
もちろん反対に長引くこともあり、残った工事は、翌日に仕上げることもあります。
手順⑤ 手直し【後日】
こちらの家では、棟板金の仕上げでミスがあり、手直しに入りました。
誠に、申し訳ございません。
ミスの具体的な内容は、釘の打ち損じの補修忘れでした。
■釘の打ち損じの補修忘れ
この部分の棟板金を、そっくり交換しました。
■棟板金の交換後
石川商店の屋根は、安心安全、メンテナンス費用節約、快適 【手順④詳細】
石川商店の屋根の標準仕様を、解説しながら、手順④の、新しい屋根材の設置を、くわしく解説していきます。
- 石川商店の屋根は、安心安全、メンテナンス費用節約重視、快適
- 防水シートは、高品質高耐久で、防水性向上
- 屋根材の強風対策固定で、安心安全
- 雪止め金具の全階全面設置で、安心安全
- 下地木材を極力使わず、メンテナンス費節約
- 屋根材の見た目が長持ちするモノで、塗装費節約
- 屋根裏換気の設置で、結露対策
- 屋根材の色を「 白色 」に近くして、暑さ軽減
防水シートは、高品質高耐久で、防水性向上
すべての屋根の防水の耐久性は、おおかた防水シートの保ちによります。
なので石川商店では、田島ルーフィング株式会社の「 ニューライナールーフィング 」を使用します。
これは、超大手の注文住宅が使用している防水シートで、それを標準仕様にしています。
■防水シートは、高品質高耐久
屋根材の強風対策固定で、安心安全
石川商店の標準仕様は、強風対策工法なので、通常、屋根材の固定釘を4本のところ、6本打って、且つ、セメントを併用ていきます。
オークリッジスーパーの場合、風速50m/sの設計強度を、強風施工で得られます。
また、オークリッジスーパーのような「 アスファルトシングル系 」の屋根材は、屋根材自体が非常に柔らかいので、工事のときの踏み割れが一切ないので、将来のひび割れや脱落の心配がないので、なおさらおすすめです。
■強風対策工法 オークリッジスーパー 釘6本打ち
コロニアルグラッサの場合、、風速46m/sの設計強度を、強風施工で得ることができるのでおすすめです。
工事のときの踏み割れが起こる可能性がありますが、通常釘4本固定だけのところ、強風対策工法だと接着剤を併用しているので、ひび割れたとしても、脱落しない可能性が高いので安心です。
■強風対策工法 コロニアルグラッサ 接着剤併用
■強風対策工法 動画
雪止め金具の全階全面設置で、安心安全
大雪の影響で、雨どいが壊れたり、落雪でカーポートやクルマを壊したり、ご隣のお家や道路への落雪によるトラブル防止で、雪止め金具を全開全周設置します。
■雪止め金具の全階全面設置
下地木材を極力使わず、メンテナンス費節約
※この屋根には、対象部位がありません。
石川商店では、そもそも棟の下地木材が不要になる板金を、使用します。
■下地木材が、不要の棟 ※サンプル写真
棟板金 (むねばんきん) という屋根のてっぺんのフタを、固定するために使う下地木材の劣化が原因で、棟板金を固定する釘が浮いたり、強風で棟板金がはがれることが多々あります。
なので、木材を使用しなければ、劣化することはなく、メンテナンス費も節約できるのです。
例えば、こういう30坪の単純な屋根のカタチの家があったとします。
■屋根を真上から見た図 屋根伏図 (やねふせず)
この屋根で、棟板金を使用するのは、
この部分で、
全部の長さを足すと、2+ 6.55X 4= 28.2m になります。
棟交換の金額は、1mあたり約1万円なので、メンテナンス費は28.2万円です。
それが石川商店の仕様で、棟板金を使うのは、
この部分の、2m だけになり、メンテナンス費は2万円と、26万円も節約できます。
最近では、樹脂製の下地材が腐らないから、と高耐久仕様として使われる場合も多いです。
ただ樹脂製のモノは製品強度がピンキリだし、熱による収縮が大きいため、すぐに硬化して、割れたり折れたりしてしまう弱いモノもあります。
■【参考】 使用後7年での、樹脂製下地の弱さが分かる動画
動画の最後に、この職人が、
「 たぶん、指1本で折れるとおもう 」
と、つぶやいてます。
なので、石川商店では、そもそも棟の下地木材が不要になる板金を使用しつつ、どうしてもの場合は防腐処理済み木材を使用します。
屋根材の見た目が長持ちするモノで、塗装費節約
屋根材は、雨漏り帽子としての塗装はそもそも不要ですが、見た目のよくするために塗装したくなる場合も多いでしょう。
なので石川商店では、見た目が悪くなりにくい屋根材を、標準仕様にしています。
■オークリッジスーパー
■コロニアルグラッサ
屋根裏換気の設置で、結露対策
結露で、湿気が高くジメジメするのは不快ですし、結露による木材の劣化は安心安全にも害なので、屋根裏の結露対策は重要です。
野地板 (のじいた) に換気用の穴をあけ、屋根裏と外気との換気口をあけて、
■屋根裏換気口の開口
防水処置をしたら、雨水の逆流、侵入防止のための、棟換気 (むねかんき) というモノを、棟板金の代わりに設置します。
■棟換気
屋根材の色を「 白色 」に近くして、暑さ軽減
屋根材の色を白に近い、薄い色にすればするほど、暑さ対策になります。
黒色に近いほど、太陽の熱をより吸収して、熱くなるからです。
遮熱塗料も有効と言われていますが、濃色の遮熱塗料よりも、ただの白色の方が、熱反射率は高く、暑くなりにくいです。
「 2018年8月29日のテレ朝のニュース 」で取り上げられていた、集合住宅や病院の屋上をペンキで白く塗装する「クール・ルーフ」という取り組みで、最上階の室内温度は8度くらい低くなる、とのことです。
白塗り屋根で暑さ対策 NYの試み、効果は如何に…
また、石川商店の屋上で実験した動画でも、遮熱塗料だと2〜5℃、黒か白かだと最大18℃、表面温度が下がりました。
以上をふまえ、石川商店ではコロニアルグラッサであれば「 アイスシルバー 」を、コロニアル遮熱グラッサであれば「 クールホワイト 」を、おすすめしています。
■コロニアル 遮熱
オークリッジスーパーだと「 シエスタホワイト 」という色がアメリカではあるのですが、日本では黒っぽい色しか取り扱いがないのが残念です。
■オークリッジスーパー 遮熱
日本支社の営業さんには、日本での取り扱いの検討を、提案しています。
スレート屋根の葺き替え工事の金額は、180万円前後
スレート屋根の葺き替え工事の金額は、1mあたり約1.8万円です。
1件あたり、180万円前後くらいになることが多いです。
項目 | 内容 |
---|---|
おすすめ時期 | 築30〜40年 |
工事名 | 葺き替え |
内容 | 古い屋根材を剥がす 新しい屋根材にかえる 屋根下地を強化できる |
費用 (※ 30坪100㎡) | 180万円 (※ 屋根材= シングル) |
何年保つか | 30〜40年 |
【参考】 カバー工法? 葺き替え? あなたの屋根はどっち
みんなの屋根の相談所の石川商店には、
「 ウチのスレート屋根は、カバー工法と葺き替え、どっちがいいの? 」
という相談が、たくさん来るので、もし同じような内容でお悩みであれば、以下の情報や記事が参考になるかもしれません。
屋根の葺き替え工事とカバー工法の違い
葺き替え | カバー工法 | |
---|---|---|
古い屋根材の撤去 | ○ | X |
古い屋根材の処分 | ○ | X |
屋根の軽量化 | ○ | X ※ KYOZINであれば、重さはほぼ変わらない |
屋根下地の補強 | ○ ※築30年くらいの家では、 台風対策として屋根下地の補強を推奨 | X ※古い屋根材の上に、 合板を貼ると結露の原因に |
雨漏りの根本解決 | ○ | X ※カバー工法の防水に不具合があれば、 再発する |
新規で使える屋根材 | ○すべて ※元の屋根材が瓦以外の場合は、 瓦は不可 | △ KYOZIN、アスファルトシングル、金属屋根材のみ |
■スレート屋根で、カバー工法がむいてない家、葺き替えや部分補修がよい家 | 石川商店
■スレート屋根材のカバー工法、費用が安いは本当か?【実際の見積り公開】 | 石川商店
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