本記事の目次
【東京都文京区】築30~40年、瓦と金属屋根がくっついている屋根の点検事例
屋根事情を共有していきたい、みんなの屋根の相談所、津嶋和也です。
文京区千石で、築30~40年、和瓦と金属を使用した屋根の点検事例を紹介します。
今回は、収益物件の建物で、入居者さまから「近くの大工さんより瓦の状態がわるい(飛散しそう)」とのことで依頼者さまへ連絡、心配からの点検依頼でした。
大きな実害もない状況で、ご自身が住まわれている訳ではないので、余計に分かりずらいかと思います。
近隣、入居者さまに迷惑とならないよう、場合により応急処置が必要となることから
適切な点検報告ができるように、しっかりと見極めることが肝心で、そこを重点的に確認していきます。
今回の屋根点検のポイントは、屋根の状態や雨漏りなどの有無の確認
瓦屋根には確認ポイントが多く、漆喰の劣化症状も確認の一つです。
だからといって、すぐに雨漏りすることもまずありません。
どちらかというと、中の土が劣化している兆候ではあるので、棟の固定状態など、災害予防の観点で、問題ないかの確認に重点をおいて、確認していきます。
もちろん、それ以外の部分で雨漏りする可能性がないかも、あわせて確認していきます。
屋根の現状と、保たせたい年数に必要なメンテナンスの時期や方法を、現地確認しながら考えていきます。
点検の結果、瓦の状態もよく大きな心配は必要なし。玄関上の軒先の木下地に腐食あり、金属屋根の葺き直しと雨樋の交換を提案
先に点検の結果をお伝えすると、瓦の状態もよく、大工さんの指摘とは異なっておりました。
漆喰を含めた棟の状態は、棟はしっかり導線で固定されており、漆喰についても適切に塗られておりました。
ただし、玄関上の軒先(金属部分)を確認したところ、木下地が腐食しており、強度が不十分だと判断。
雨樋については数か所に穴あきを確認。
今回は、
- ● 金属屋根の部分の葺き直し
● 雨樋の交換
- ● 金属屋根の部分の葺き直し
の工事のメンテナンス修理を提案し、見積りを作成しました。
これらを判断した、具体的な屋根の状態を確認していきます。
【補足】漆喰の詰め直しだけではムダ。雨漏りの可能性も
瓦屋根の場合、漆喰のやせるやせない、はがれたはがれてない、だけではすぐに雨漏りには直結しませんので、まずはご安心くださいませ。
漆喰で雨を防いでるのではなく、瓦の積み重ねで、水を外に流しているからです
このあたりの詳細は、こちらの記事で確認できます。
■ 屋根の漆喰が剥がれる原因を知れば無意味な修理をしないで済む。正しい対処法とは。 | 石川商店
【補足】ラバーロックだけでは災害予防にはならない。雨漏りの可能性も
瓦を下地に固定しない、表面だけを固定するラバーロックでは、地震や台風などの災害予防には、あまり効果がありません。
しっかり効果を出すには、4枚に1枚、瓦を下地に固定していく必要があります。
このあたりの詳細は、こちらの記事で確認できます。
■ 瓦屋根のラバーロックは無意味な工事と証明。地震にも台風にも効果なし【実験動画あり】 | 石川商店
■ ラバーロックの原価は14万円。瓦屋根の耐震リフォーム適正価格一覧【屋根の押し売り事例集 第5回】 | 石川商店
■ 【さいたま市浦和区】瓦屋根の台風、地震対策。瓦屋が考えた新しいラバーロックの工事事例と価格 | 石川商店
では実際に、具体的な屋根の状態を確認していきましょう。
実際の和瓦・金属の屋根の状況は?
今回の、和瓦・金属(部分)の屋根の、点検の流れはこんな感じです。
- 和瓦・金属の屋根の屋根点検の流れ
- 手順① ドローンで、屋根の撮影 【5〜10分】
- 手順② 屋根にあがっての、点検調査 【15〜30分】
- 手順③ 屋根裏の確認 【10〜20分】
- 手順④ 撮影写真による、口頭での屋根の説明 、質疑応答【30〜60分】
- 手順⑤ 点検完了 【合計1〜2時間】
- 手順⑥ 後日、撮影写真と点検報告の送付 【当日〜1週間程度】
順番に屋根の点検の様子を、写真つきで解説します。
手順① ドローンで、屋根の撮影 【5〜10分】
石川商店では、屋根にあがる前に、ドローンで屋根を撮影します。
ぼくらが屋根に上がる前の状態を、写真で保存するためです。
これは、屋根にあがって自分たちで壊すような悪徳業者ではないという証明のためと、ぼくらも注意してても屋根材を踏んで割ってしまうことがあるのと、正直、それを隠してやり過ごしたくなる気持ちを抑えるため、でもあります。
また、屋根全体が1枚の写真におさまるため、お客さまに屋根の状況説明をするときに、どの部分がどうなっているという解説がお互いにわかりやすくなるのも、もうひとつの理由です。
■ 全景
■ 南西側の面
■ 南西側の面up
手順② 屋根にあがっての、点検調査 【15〜30分】
つづいて実際にハシゴをかけて、屋根に上がります。
■ 棟
導線もしっかり、巻かれており固定力は十分だと思います。
築年数がそれなりにある瓦屋根の場合、瓦をいったん撤去することができます。
なので、数枚の瓦をめくって、屋根の防水シートや、下地木材の状態をあわせて、確認していきます。
■ 屋根の防水、下地の確認
とくに穴あきや、ヨレ、縮みなどもないので、すぐに雨漏りしてしまうような状態ではなさそうです。
■ 玄関上の軒先の状態
軒先の水切り板金が歪んでおります。
■ 雨樋の状態
他にも数か所に穴がありました(6/12に補修対応を致しました)。
■ 雨樋の補修
手順③ 屋根裏の確認 【10〜20分】
屋根裏の状態も、必要に応じて確認するのですが、実害もない点から行ないませんでした。
手順④ 撮影写真による、口頭での屋根の説明 、質疑応答【30〜60分】
ドローンで撮影した写真や、屋根にあがってから撮影した写真などを、ご覧いただきながら、屋根の状況説明をいたします。
■ 口頭での説明のイメージ
わからないことや疑問があれば、ご納得いくまで、ご質問くださいませ。
手順⑤ 点検完了 【合計1〜2時間】
以上で、屋根点検の当日はおしまいです。
点検料は、後日の点検報告と、写真のお渡し時に、請求書をお付けすることになるので後払いです。
点検当日に、現金をご準備する必要はございません。
手順⑥ 後日、撮影写真と点検報告の送付 【当日〜1週間程度】
早ければ当日、遅くても1週間前後で、撮影した写真データと点検報告を、インターネット上での共有や、郵送、メールなどで、お送りします。
また点検の結果、修理が必要であれば、その修理の見積書もあわせてお送りいたします。
【参考】 瓦屋根のメンテナンスの方法と時期と価格
瓦屋根のメンテナンスの方法と時期と価格の詳細は、こちらの記事で確認できます。
■ 和瓦、洋瓦屋根の台風対策。予防のための補修や工事方法と費用 | 石川商店
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- 屋根屋、見習いの津嶋和也(つしまかずや)40歳です。
- 【経歴】
- 不動産売買を経て「みんなのお役にたちたい」そんな気持ちから屋根業界に転職
- 【趣味】
- 旅行
- 【目標】
- 一人前の屋根屋調査員
- 【ブーム】
- 自炊 銭湯通い
- 【困り事】
- 屋根の知識が多すぎる