今後、日本の家づくりはどう変わる? そもそも変わる必要があるの?

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ー教えて屋根屋さん! 第116回ー

戦後、早期の復興を目指して、急速に開発されていった日本の家づくりの技術。
しかし、環境問題、単身世帯の増加、少子高齢者化などさまざまな要因によって、家づくりの方法もシフトを迫られています。
いったい、今後はどのような家づくりが主流になっていくのでしょうか?

 

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現在、政府は、今までのスクラップアンドビルド方式から、欧米のような3世代が住める家、90年以上長持ちする家を建てるよう政策方針を掲げています。
具体的に、経済産業省は「2020年までに標準的な住宅をZEHにする」、東京都は「2020年までに耐震化率を95%以上にする」という目標を挙げています。

 

(ZEHの詳しい説明は「2020年以降はコレで決まり! ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)とは」をご覧ください)

 

とはいっても、戦後から60年以上続いた住宅文化を急に変えるのは困難。
あまり進行しているとは言いがたいです。

 

アメリカでも40年近くかけて変わってきたことなので、それを数年間で成し遂げられるとは思いませんが、なぜこんなにも進まないのでしょうか?

 

残念ながら、私は住宅業界が売り手主導で変化することはほぼないと思っています。
なぜなら、売り手は「安いもののほうが売れやすい」という固定観念があるため、質が良くても値段が高いものを勧めることは少ないです。
本当に質の良い商品を市場に流通させるには、買い手から変わる必要があると考えています。

 

上記のような長持ちする家を建てる場合、屋根材は60年以上ほぼメンテナンスフリーで持つ瓦を選ぶしかありません。
しかし、多くの営業マンは、「瓦は初期投資がかかる」という理由でお客様に積極的に勧めません。
今後もこの商慣行が続いていったら、数十年後には、瓦の生産地は国内からなくなってしまうかもしれません。

 

ところが、もし買い手が事前に知識を入手しており、「屋根は瓦でないと長持ちしませんよね」と言えばどうでしょうか。
売り手はそれに応えざるを得なくなります。
良い商品が売れれば、消費者は質の高いものを所有でき、ハウスメーカーもより高い利益を得ることができます。
その上、家の寿命の長期化にも貢献できるという、一石三鳥なのです。

 

以前は一般の人だけでなく、建築家や設計士といった職業の人たちでも、屋根の詳細な情報はつかめないという状況でした。

 

しかし、阪神・淡路大震災から約20年が経過し、屋根業界でもようやくインターネットを中心に情報提供に力を入れる業者が現れ始めました。
現在は弊社はじめ、さまざまな屋根業者が情報発信に力を入れています。
良質な情報も増えていますので、ぜひ参考にしてください。

 

家の寿命が長くなったら、丈夫で質の良い中古物件が市場に出回るようになります。
最近は断熱や耐震などのリフォーム履歴を残して、手入れがきちんとされている家の資産価値を上げようという動きも強まっているようです。
そうなると人々の選択肢も増え、欧米のようにリフォームしたほうが資産価値が上がるという現象も生まれるかもしれません。

 

先日、弊社にも瓦の耐久性・耐震性についてテレビ取材が来るなど、業界関係者でなくても、瓦や屋根に対して興味を持つ人が増えてきているのかな、と感じています。

 

住宅や屋根も、時代によって変化していきます。
今後の家づくりの潮流はどうなっていくのか、ぜひ皆さんも関心を持ってくださいね。

 

 

次回は、「屋根のリフォーム費用の相場」についてお話しいたします。

 

「教えて、屋根屋さん!」の連載記事の目次はこちら。

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昭和二十六年創業。屋根に関する製造・販売・工事の全てを経験。20141125_profile_01
屋根専門石川商店の三代目、1級かわらぶき技能士
石川弘樹(いしかわひろき)です。
【趣味】  ワンピース(マンガ)
【目標】  瓦割り世界チャンピオン
【ブーム】 今年サンジ活躍した?
【困り事】 寝ても寝ても眠い病
屋根専門石川商店HP:riverstone-roofing.com


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